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今年4月に発売された『The Cuckoo's Calling』は書評サイトや作家から軒並み高評価を得たものの、英国版の販売総数はわずか1500部止まり。書籍市場の調査会社ニールセン・ブックスキャンによると、その中から図書館向けや電子書籍版、輸出部数を除くと、英国内で売れたのは、たったの500部以下でした。

しかし今月14日、J.K.ローリングさんが執筆したことを認めると、売り上げは急上昇。英国、米国、日本のアマゾンや大手書店チェーンのバーンズ・アンド・ノーブルでベストセラー・リストの１位に躍り出ました。 これを受けて出版社のリトル・ブラウンは、急きょ30万部を増刷。本は今週の後半、現地の書店に並びます。

バーンズ・アンド・ノーブルのマンハッタン店では、15日にかかってきた電話の半数が本書を探す客からの問い合わせで、店員のGillian Mendezさんは「みんな『何とかして1冊手に入らないか？』って頼むのよ。何だか怪しげに聞こえ始めたわ(笑)」とUSAトゥデイ紙に話しています。ほかにも本書を探して、米国中５０軒もの書店に電話した強者もいたとのこと(笑)。

ハリー・ポッター後にJ.K.ローリングの名前で出版した『カジュアル・ベイカンシー　突然の空席』は、賛否両論の評価を受けたものの、約100万部を昨年売り上げました。

J.K.ローリングさんが別の名前で出版したことについて、リチャード・バックマンという別ペンネームで既に本を出しているスティーヴン・キングさんは、JKRから相談を受けたわけではないがと断った上で、「もし相談されていたら、『長く隠し続けるのは不可能だよ』とアドバイスしただろう」と告白。

「自分の場合は、文体で気づかれてバレてしまった。昨今のインターネットの時代では、これがもっと起こりやすくなっている」と、名前を変えても読者の目は欺けないとコメント。「でもジョーは（別名出版を）やって正解だった。別の名前で書くのはどんなに楽しくて安堵感が得られるか、その喜びだけでもやった価値がある。今回の件を知ったからには、彼女の本を読むのが待ち遠しいよ」と話しています。

ちなみに「J.K.ローリング」もペンネーム。本名はジョアン・ローリング（Joanne Rowling）ですが、『ハリー・ポッターと賢者の石』を出版する際、ターゲット読者層の男の子は、女性の作者の本は好まないと言われ、出版社の要望で祖母キャスリーン（Kathleen）のイニシャルKを加え、J.K.ローリングという名前に変えています。

『ザ・ククーズ・コーリング』まとめ（ストーリー、著者紹介、レビューなど）

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