ツイート

既にお伝えした通り、J.K.ローリングさんはロバート・ガルブレイスという男性のペンネームで『ザ・ククーズ・コーリング（直訳は“カッコウの鳴き声”）/The Cuckoo's Calling』という推理小説を出版し、ヴァル・マクダーミドさんを始め作家や評論家、書評サイトで高い評価を獲得しています。

新人作家のデビュー作としては完成度が高く、女性の服装などに詳しいことから、本当は女性の作家ではないかと噂され、特に出版社、著作権代理人などが同じで文体が似ているJ.K.ローリングさんの作品でないかとささやかれるようになり、このほどJKR本人が自分が書いたことを認めました。

この発覚に驚いたのはオリオン・ブックスの編集ディレクター、ケイト・ミルズさんで、「今だから（JKRの本だと分かったから）言えるけど、私はJ.K.ローリングを断っていたわ。『ククーズ・コーリング』を読み、出版を断ったの。誰かほかに（自分が書いたと）告白する人は？」とツイート。断った理由は「よく書けているけれど、地味（quiet）なの。完璧な本だけど、地味なのよ」とし、「犯罪小説のマーケットは既に作品で溢れていて、新人作家が入るのは難しい」からだと明かしています。

オリオンブックスにとって残念なことに、JKRの告白後、本書の売り上げは急上昇。英アマゾンでは一時（7月14日）5070倍（507,000%）のセールスを記録。現在も米英日アマゾンや大手書店チェーンのバーンズ・アンド・ノーブルなどの本のベストセラーランキングの1位に輝いています。

『ザ・ククーズ・コーリング/The Cuckoo's Calling』は、退役軍人で私立探偵の主人公コーモラン・ストライクが、メイフェアのバルコニーから投身自殺したスーパーモデルのルル・ランドリーの事件を調査していく話。

4月に発売されたハードカバーは現在入手困難な状態で、日本では米国版が2〜3週間待ちで入手可能。また、2014年2月13日発売のペーパーバック版の予約がすでに始まっています。[英国アマゾンで購入するのが最速。在庫がある場合は最速３〜５日で日本（東京）に届きます。英国アマゾンでのみ電子書籍版が発売中（日本や米国のキンドルにダウンロード不可）]

【購入・予約】表紙が違うだけで英国版も米国版も中身は同じ
『The Cuckoo's Calling』米国ハードカバー　2,850円
『The Cuckoo's Calling』ペーパーバック（2014/2/13発売）1363円