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サンデー・タイムズ（英タイムズ紙の日曜版）の取材で明らかになったもの。J.K.ローリングさん（JKR）本人が同紙に対し「このことはもう少し秘密にしておきたかった。ロバート・ガルブレイスでいることは、とても解放感を感じる経験でしたから。過剰な宣伝や期待を受けることなく出版するのは素晴らしかったし、別の名前で評価を得るのは純粋な喜びでした」と告白しています。

JKRはハリポタ後に大人向けに書いた『カジュアル・ベイカンシー』のインタビューで、ペンネームでの出版も考えたと話していました。

本書は今年4月、リトル・ブラウン・グループのSphere社から出版。『カジュアル・ベイカンシー』と同じ出版社で、エージェントと編集者が同じ、さらに同作や「ハリー・ポッター」と文体が似ていることから、J.K.ローリングが別名で出版した本ではないかと噂されていました。

『カッコウの鳴き声(仮訳)』は、アフガニスタンの地雷原で片足を失った主人公の退役軍人コーモラン・ストライク（Cormoran Strike）が私立探偵となり、ロンドン・メイフェアのバルコニーから転落死したスーパーモデルの事件を調査していく物語。 ちなみに“コーモラン”は、童話『ジャックと豆の木』に登場する、コーンウォールの巨人（ジャックの掘った穴に落ち、このためジャックはアーサー王から王の銘の入ったベルトを贈られる）の名前です。

本作に対しスコットランド出身の女性推理作家ヴァル・マクダーミドさんは、「『The Cuckoo's Calling』は、私が犯罪小説に恋した理由を思い出させてくれた」と賞賛。同じく作家のマーク・ビリンガムさんも「主人公のコーモラン・ストライクは、これまで出会った中で、最高にユニークで魅力的な探偵のひとり」と賛辞を贈っています。

BBCによると、ハードカバー版のこれまで（JKRの本であることが明かされるまで）の英国での販売部数は1500部。J.K.ローリングさんが書いたことが明らかになった14日、米英アマゾンでは書籍の売上げランキング1位に急浮上しています。

ロバート・ガルブレイスによる探偵コーモラン・ストライク・シリーズ第2弾は、来年発売される予定。日本語版の発売は未定ですが、必ず出版されると思われます（笑）。

米ハードカバー版(左)とペーパーバック版(右)