J.K.ローリング、別ペンネームを漏らした弁護士に激怒！- ポッターマニア

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J.K.ローリング、別ペンネームを漏らした弁護士に激怒！

J.K.ローリングさんが男性の名前で犯罪小説を出版していたことが先週、英サンデー・タイムズによって明らかになった件で、ペンネームの秘密をもらしたのが弁護士だと分かり、J.K.ローリングが怒りを露わにしています。
UPDATE：サンデー・タイムズによるスクープ経緯の詳細を追加（15:18/7/19/2013）

ハリー・ポッター作者のJ.K.ローリングさんは今年4月、ロバート・ガルブレイスという男性の別名を使い犯罪小説『ザ・ククーズ・コーリング(原題)The Cuckoo's Calling』を出版。英国版は1500部しか売れなかったものの、批評家や作家の間で高評価を得ていました。

別ペンネームでの出版はごく少数の人しか知らなかったにも拘らずサンデー・タイムズ紙にスクープされ、誰が秘密を漏らしたのか、出版社自らが故意にリークしたのではないかなどいろいろ詮索されてました。

これを受けてJ.K.ローリングさんの弁護士事務所ラッセルズは19日、共同経営者のクリス・ゴセージさんが妻の親友の女性にペンネームの秘密を漏らしたと謝罪。その親友の女性がツイッターでサンデー・タイムズ紙にリークしたため、スクープされてしまいました。

ラッセルズは「我々の共同経営者のひとり、クリス・ゴセージが、妻の親友ジュディス・カレガリJudith Callegariとの懇談の中で、ロバート・ガルブレイスの正体はJ.K.ローリングであると告白したことを深謝いたします。彼に責任があることは認めておりますが、この暴露は絶対的に信用していた人に対するものであります。事情が明らかになるや、我々は即座にJ.K.ローリングの著作権代理人に連絡いたしました。この暴露はいかなる販売計画の一環として行ったものではなく、J.K.ローリング本人、彼女のエージェントそして出版社はこれに一切かかわっていないことを断言いたします」と発表し、故意に行ったものではないと謝罪しました。

J.K.ローリングさんはこれに対し声明文を発表し「今日、ロバートの正体がどのように明らかになったのかを知りました。この別ペンネームは、ごく少数の人しか知らされておりませんでした。私の旧年来の友人の多くが知らない事実を、日曜（7月14日）の夜まで聞いたこともなかった女性がどのように知り得たのか、それについてこの数日間推測するのは愉快なことではありませんでした」と告白。

さらに「『失望した』というのはかなり控えめな表現です。ラッセルズは評判のいいプロとして、完全に信頼できると考えておりました。私の信頼が間違っていることが判明し、強い怒りを感じています」と憤激を露わにしています。

『ザ・ククーズ・コーリング』がJ.K.ローリングさんの新作であることが14日に明らかになり、米英日アマゾンなどでベストセラーに。急きょ30万部が増刷されました。サンデー・タイムズ紙が、ロバート・ガルブレイスの正体がJ.K.ローリングさんであるとスクープするまでの経緯は以下の通りです。

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【購入・予約】表紙が違うだけで英国版も米国版も中身は同じ
『The Cuckoo's Calling』米国ハードカバー　2,850円
『The Cuckoo's Calling』ペーパーバック（2014/2/13発売）1363円

【サンデー・タイムズ紙が、J.K.ローリングの別名出版をスクープするまで】

サンデー・タイムズ紙の芸術欄の編集者リチャード・ブルックス氏Richard Brooksの女性の同僚が、偶然ツイッターで「『ザ・ククーズ・コーリング』を気に入った。とても新人とは思えない」とツイート。

深夜に@judecallegari というアカウントから「その本はデビュー作ではありません。J.K.ローリングが書きました」というツイートバックあり。

「何で確かといえるの？」と返事をすると、「ただ知っている」と返事があり、そのアカウントは削除され、誰なのか分からない状態に。このツイートが出版社による宣伝の可能性もあったが、サンデー・タイムズは興味を持ち、慎重に調査に乗り出した。

他社にばれるのを避けるため、本人や出版社にいきなり問い合わせはせず、まず、インターネットを使い『カジュアル・ベイカンシー　突然の空席』と『ザ・ククーズ・コーリング』のさまざまな共通点を調べた。その結果、エージェント、出版社、英国での編集者が同じであることが判明。特に、編集者のデビッド・シェリー氏David ShelleyがJ.K.ローリングのような重要な作家と、あまり重要でないロバート・ガルブレイスの両方にかかわっていることは奇妙に思えた。

それでブルックス氏は本を読み始めた。まず「軍や民間セキュリティにかかわっている人で、こんなにうまく本を書ける人はいない」と思った

次に彼は『ザ・ククーズ・コーリング』、『カジュアル・ベイカンシー　突然の空席』と『ハリー・ポッターと死の秘宝』の3冊を、コンピューター言語のエキスパートに送り、共通点の調査を依頼。重要な類似点が発見された。

ブルックス自身も、「ハリー・ポッター」シリーズ同様ラテン語が使われていたり、薬物を使用する場面が『カジュアル・ベイカンシー』と似ていることなどに気づき、金曜（12日）夜遅く、ついに直接取材を決断。単刀直入に「ロバート・ガルブレイスが実際にはJ.K.ローリングであると考えています。お答え頂けないでしょうか」との電子メールを送った所、土曜日の朝、J.K.ローリングの広報担当から「すべてお話しすることにしました」との返事が。