J.K.ローリング、英デイリー・メール紙を名誉棄損で訴える！

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問題となったのは2013年9月28日に同紙のオンライン版に掲載された「J.K.ローリングのお涙頂戴シングルマザー物語は、彼女を世話した教会信者を如何に動揺・困惑させたか」という見出しの記事。

JKR自身が慈善団体「ジンジャーブレッド」（後述）に寄稿した文章をネタ元にしており、同じ記事が数日後、紙の新聞にも掲載されました。記事の中で、JKRはシングルマザー時代に教会信者からひどい扱いを受けたと報じていました。

しかし実際には、JKRは 寄稿文の中で、公立の託児所に娘のジェシカさんを預けることを断られたことや、そんな苦しい時代に地元の教会でささやかな秘書の仕事（書類の整理やタイプの仕事）を得て週15ポンドもらえたこと、そして仕事中に教会に通う（真面目な）信者から「未婚の母」と呼ばれたり、「（たとえ未婚の母であっても）教会で許されるべき」と言われたことなどを告白。「その信者は私のことを、『書類を整理する堕落した女』なんて題名のビクトリア朝絵画のように見ていたのかしら？」とユーモラスに綴っていました。

JKRの弁護団は「デイリー・メール紙の記事は、彼女がエディンバラでシングルマザーだった時代について誤った説明を与えた」とし、「JKRが教会信者たちからキリスト教徒にあるまじき態度を取られ、シングルマザーの烙印を押されて愚弄されたとして、彼らを非難しているように書かれている」と主張。「JKRのコメントを歪曲して伝え、彼女を当惑させ苦痛をもたらした。さらに教会の信者たちも驚き困惑させ、混乱させた」と訴えました。

さらに法廷に提出された書類によると、同紙の記者が記事を投稿する前にローリングさんに連絡した際、彼女にコメントする機会を与えておらず、弁護人は「ジャーナリズムの公平で責任ある基本的な基準に反する行為」だと批判。

「JKRはジンジャーブレッドの寄稿文の中で、教会メンバーから受けた扱いについて不満をもらしていない（むしろその逆で感謝している）。デイリー・メール紙は、請求者の明白な否定に逆らい、真逆の主張をする記事を掲載することはできなかっただろうに」と抗議しています。

当該記事は、既にオンライン上から削除されていますが、JKR弁護団は同紙に対し、同一/類似の中傷的発言の出版を避けるための差し止め命令を要求しています

デイリー・メール紙は本件に関し、コメントをしていません。

*ジンジャーブレッド（Gingerbread）：英国でシングルペアレントとその子供のための慈善活動をしている団体。J.K.ローリングはこの大使を7年間務め、現在はプレジデントという名誉職に就いている。

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