営利目的のハリポタ料理は著作権侵害、米ワーナー・ブラザースがレストラン経営シングルマザーに警告！- ポッターマニア

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ハリポタ料理をレストランで出すのは著作権侵害、米ワーナー・ブラザースが経営者に警告！

西ロンドンのキルバーンの自宅でレストランを経営している女性が、ハロウィーンを祝したディナー・パーティ「ハリー・ポッターの夕べ/Harry Potter Night」を計画した所、ワーナー・ブラザースから著作権侵害を警告する手紙が届いたとBBCなどが報じています。

この女性は“マーマイト・ラバーさん/Ms Marmite Lover”(本人の希望により本名は非公開)と名乗る、ハリー・ポッター・ファンのシングルマザー。ロンドンで流行しているアンダーグラウンド・レストラン(自宅レストラン)を今年（2009年）1月から始め、定期的にテーマを決めてそれにまつわるディナーを1人当たり20～30ポンド(約3000～4500円)で出していました。

ハロウィーンが近づいた今回は、大好きなハリー・ポッターをテーマに定め、かぼちゃジュースやバタービール、蛙チョコ、大鍋ケーキ、ダンブルドアの大好きなミントキャンディなどを作ろうと計画。店の横にダイアゴン横丁を作り、お客は太った婦人にパスワードを言わなければ入店できないようにし、座席は組分け帽子が決めるなど、ハリポタファンが喜ぶような工夫を凝らす予定でした。

しかし、この「ハリー・ポッターの夕べ」のディナーのチケットをインターネットで販売した所、ワーナー・ブラザースの法律部門から警告の手紙が。それには「マーマイト・ラバー様　貴方がハリー・ポッターファンである由、大慶に存じます。しかし残念乍ら、ハリー・ポッターの所有物を無断でご利用になることは、ワーナーの権利侵害に当たります」と書かれおり、さらに「ワーナーはもちろん、御自宅レストランで、一般的な魔法使い/ハロウィーンの夕べを開催することに反対するものではありません」と続けられていました。

この手紙を受け、マーマイト・ラバーさんは仕方なく“ハリー・ポッターの夕べ”という名称を、“一般的な魔法使い/ハロウィーンの夕べ”に変更。「料理の名前も変えなければいけないのかしら？」と困惑し、「バタービールは中世の飲み物だし、かぼちゃパイはカリブの料理だけれど、大鍋ケーキはハリー・ポッターのオリジナル。“ル・クルーゼ(フランスの有名な鍋メーカー)・ケーキ”に変えようかしら・・」と悩んでいます。

さらに、「この夕べは完全にハリー・ポッターファンのイベントで、ハロウィーン時期限定のもの。永久にハリー・ポッターのレストランをするわけではないのに」と訴え、「(確かに)基本的には有料のディナー・パーティ。私が料理を作り、お客をもてなします。でも、各ディナーの準備に4日かかり、私が手にするのはほんの少しの代金。著作権を守らなければならないのは分かるけれど、問題はハリー・ポッターがとても有名で、今や文化の一部になっているということ。私の15歳の娘はハリー・ポッターで育ち、大ファンなのよ」と反論しています。

「J.K.ローリングさんが個人的に、(ハリポタ料理を出すことを)認めるかどうかはわからないけれど、本当に残念よ。私はシングルペアレント全国協議会(National Council for One Parent Families)で彼女に会い、本にサインをしてもらったことがあるの。ローリングさんも(一時期)シングルマザーで苦労をし、私の人生もそれと同じなの。ずっと彼女を理想の女性として見てきたのに」と無念さを訴えています。

他人の自宅を見ながら素人の料理を楽しむことができるアンダーグラウンド・レストランは、今やロンドンっ子の間で大人気となっており、ガーディアン紙は「（レストランの）フェースブックや口コミでの宣伝が、ワーナーの目に留まったのだろう」と分析。ワーナー・ブラザースは今回の警告について、「当社には、ハリー・ポッターファンがその物語の精神の通りに、非営利やチャリティのイベントを行うことを支援するためのガイドラインがあります。大多数の非営利イベントは開催でき、我々もサポートします」と説明しています。

なお、自社ブランドがレストランのテーマに使われることに好意的な会社もあり、マーマイト・ラバーさんがハンドル名にしている「マーマイト(*)」をテーマにディナーを開催したときは、マーマイト社から著作権の警告を受けることなく、タダで大量のマーマイトを提供してもらったとのこと(笑)。

*マーマイト：イーストと野菜エキスのペースト。英国人がパンに塗ったり調味料にする。マーマイト社の登録商標。

マーマイト・ラバーさん写真