ロアルド・ダール『チョコレート工場の秘密』の未発表原稿が公開！

ツイート

本作は米国で1964年、英国で1967年に出版され、時代を超えて愛され続けている児童文学。主人公の少年チャーリー・バケットが、世界的に有名なウィリー・ウォンカのチョコレートのゴールデン・チケットを手に入れ、4人の子供たちとともに、その工場を見学する物語。「ハリー・ポッター」読者にも人気があります。

公開されたのは、1961年の草稿の第5章で、「バニラ・ファッジ・ルーム（バニラ味のファッジの部屋）」というタイトル。ダールさんの死後、書類の中から発見された原稿で、クェンティン・ブレイクさんのイラストもついています。

ガーディアン紙に公開された一節によると、この部屋の中央にはバニラ・ファッジ（＝ヌガー菓子）でできた巨大なのこぎり状の山があり、何百もの労働者たちが、つるはしやドリルを使ってそれをカットし、クレーンでトロッコに乗せています。トロッコのレールは部屋の向こう側の穴に続いており、その先にはヌガー製造機が。チャーリーたちはこの山を登ったり下りたりして遊びますが、ウォンカの指示に従わない二人の少年トミー・トラウトベック(Tommy Troutbeck)とウィルバー・ライス(Wilbur Rice)はトロッコに乗ってしまい、別室で叩かれたり延ばされたりして、ヌガー菓子にされてしまいます(汗)。

この章は児童書としては乱暴で、あまりに破壊的、モラルに欠けると判断され、最終版からカットされました。

今回の原稿によって、当初ゴールデン・チケットを手に入れた子供は5人ではなく9人いたことや、チャーリーは祖父ではなく母親に連れられて工場を見学したことなどが明らかに。最終版から削除された4人の子供のうち、二人は上記のトミーとウィルバー。ほかにオーガスタス・ポットル（Augustus Pottle）とミランダ・グロープ（Miranda Grope）がおり、この二人は本章の前に、チョコレート・ファッジの部屋で姿を消しています(笑)。

また、ウンパルンパも登場しておらず、「労働者」と書かれています。

この原稿は先月30日、英紙ガーディアンが、ロアルド・ダールの作品を管理しているRoald Dahl Nominee Ltdの許可の元に掲載しました。（こちらで読めます）

ロアルド・ダール(1916?1990)は世界中で愛されている児童文学作家。その人気は死後も衰えず、彼の作品は全世界で59ヶ国語に翻訳され、2億部以上販売されています。

バニラ・ファッジの山で遊ぶ子供たち(新たに公開されたイラスト)



バニラ・ファッジの山のウォンカと招待された親子(新たに公開されたイラスト)

【JTB】ユニバーサル・スタジオ・ジャパンへの旅