『The Casual Vacancy/カジュアル・ベイカンシー 突然の空席』は、「ハリー・ポッター」作者のJ.K.ローリング(JKR)が、手がけた初めての大人向け小説。ハリポタシリーズ最終巻『ハリー・ポッターと死の秘宝』以来、5年ぶりの新作となる。原書(英語版)は2012年9月27日(JST16:00)にリトル・ブラウン社から出版された。
日本語版のタイトルは『カジュアル・ベイカンシー 突然の空席』と決まり、同年12月1日に講談社から上下2冊で発売。翻訳者は亀井よし子氏。
対象年齢:高校生以上成人向け
|
イギリスの架空の小さな町パグフォードは、石畳の広場や古い僧院がある、一見牧歌的などこにでもある町。そのバグフォードである日、教区会評議委員のメンバーのバリー・フェアブラザーが、40代の若さで突然死する。死因は動脈瘤の破裂。評議委員の席が1つ空いたことで(=casual vacancy一時的欠員)、予想だにしない騒動が町を揺るがすことになる。
ミドルクラスが住むパグフォードの近くには、ザ・フィールズ(The Fields)という経済的に恵まれない人々が住む地区があり、その子供たちはパグフォードの支援を受けて小学校に通い、バグフォードが運営している薬物治療クリニック(ベルチャペルBellchapel)で治療を受けていた。
フィールズ生まれのバリーはここの子供たちを長年サポートしてきたが、彼が死んだことで、これらの援助(負担)に反対する人々が立ち上がり、町はフィールズ支援派と反対派の二派に分断されることになる。
そして補充選挙の日にちが発表されると、立候補者の子供たちによる妨害工作が始まる。パグフォードの町の公式ウェブサイトには「バリー・フェアブラザーの幽霊(The-Ghost-Of-Barry-Fairbrother)」と名乗る人物による立候補者のスキャンダルが投稿されていき・・。
貧困、ヘロイン中毒、麻薬売買、売春、児童虐待、家庭内暴力、レイプ、青少年の性、(学校・Webでの)いじめ、自傷行為、自殺・・・深刻な社会問題を描いたJ.K.ローリング渾身の長編風刺小説!愛のない人々に対し辛辣な観察の目を向けながら、社会に対する個人の責任とは何かを問い直している。
|
【フェアブラザー家】
バリー・フェアブラザー:Barry Fairbrother
1960年代後半、ザ・フィールズ生まれ。パグフォードの教区会評議委員だったが、ゴルフ・クラブの駐車場で静脈瘤の破裂により死亡。地元の女子ボートチームを作り、クリスタルを支援していた。
メアリー・フェアブラザー:Mary Fairbrother
バリーの妻
ファーガス・フェアブラザー:Fergus Fairbrother
バリーとメアリーの息子
Niamh and Siobhan Fairbrother
バリーとメアリーの娘。双子の姉妹
Declan Firbrother
バリーとメアリーの息子。末っ子
【モリソン家と関係者】
ハワード・モリソン:Howard Mollison
64歳のでっぷり太った老人。デリカテッセン(総菜屋)「モリソン・アンド・ロー/Mollison and Lowe」のオーナーで、教区会評議委員長(Chair of the Paris Council)を務める。バリーの敵で、薬物治療クリニックを閉鎖し、ザ・フィールズをパグフォードの管轄外に置こうとする。
シャーリー・モリソン:Shirley Mollison
ハワードの妻。同じくバリーを嫌っている
マイルズ・モリソン:Miles Mollison
ハワードとシャーリーの息子。弁護士。補充選挙に立候補する。
サマンサ・モリソン:Samantha Mollison
マイルズの妻。ブラジャー・ショップを経営。
レキシーとリビー・モリソン:Lexie and Libby Mollison
マイルズとサマンサの娘たち。寄宿制の私立学校に通学
パット・モリソン:Pat Mollison
ハワードとシャーリーの娘。
モーリーン:Maureen
ハワードのデリカテッセンの共同経営者。シャーリーに憎まれている。
|
First Page Date:2012年10月2日
Last Update:
2012年12月2日 |
|