「スタジオツアー東京」くわしいレポート(徹底解剖)
見学できるセット
■大広間
広大なホグワーツ城で最も印象的な場所のひとつが大広間です。10年という撮影年月のなかで、宴会やクリスマス・ダンスパーティー、そして魔法決闘など、数々のシーンの舞台となってきました。
プロダクションデザイナーのスチュアート・クレイグは伝統的な英国建築から影響を受け、このセットデザインを手がけました。大広間の石畳の床、背の高い窓、木製パネルでできた壁は、英国オックスフォード大学クライストチャーチ・カレッジをモデルにしています。
実在の建物からの影響も受けていますが、大広間では天井いっぱいに宙に浮かぶキャンドルなど、さまざまな魔法が使われてきました。このシーンの撮影では本物の炎が使われましたが、つりケーブルの1本に引火したため、安全を考慮し、視覚効果チームによってCGに変更されました。 さらに、『ハリー・ポッターと賢者の石』の宴会では、調理されたばかりのリアルな食事が用意されました。しかし食べ物の痛みを避けるため食事を1日に2回取り替える必要があり、2作目からは樹脂を流し込んで作ったフードサンプルに変更されました。
■グリフィンドールの談話室&男子寮
プロダクションデザイナーのスチュアート・クレイグいわく、「グリフィンドールの談話室は、ハリーが人生で初めて家を体験する場所」です。そのためセットは華やかさよりも快適さを優先し、使い古された家具が置かれた、居心地の良い空間となるようにデザインされています。 そのため、数々のソファを赤いベルベットで張り替え、何度も叩くことでバネをだめにして、まるで何十年も使い込んだかのようなくたびれた風合いを出しました。
グリフィンドールの談話室から、らせん状の階段を上ると、男子寮があります。男子寮のセットは細かい変更は加えられたものの、ベッドはずっと同じものが使われました。しかし俳優たちが年齢を重ねるにつれ、ベッドよりも体が大きくなってしまっているのを隠すため、制作陣はカメラアングルを工夫して撮影しなければなりませんでした。 また長年にわたり、それぞれの少年の個性を表現するため、個人スペースに装飾が施されました。ロンの空間には応援しているクィディッチチームのポスターを飾るなど、ひとりひとりの個性が表現されています。
*スタジオツアーロンドンで撮影
■ダンブルドアの校長室
ホグワーツ城の最も高い塔のひとつの奥深くには、3つの丸い部屋が重なるようにして成るダンブルドアの部屋があります。人気のない場所に位置していますが、ダンブルドアの部屋の壁にはホグワーツ前校長48人の肖像画が飾られており、閑散とはかけ離れた雰囲気です。
この部屋の穏やかな雰囲気は、宇宙や空へのダンブルドアの強い興味を反映しており、棚にはきらびやかな天文機器や望遠鏡、星座表が並べられています。さらに、組分け帽子、グリフィンドールの剣、ダンブルドアの憂いの篩など、象徴的な小道具の数々を発見することもできます。
*スタジオツアーロンドンで撮影
■スリザリンの談話室
居心地がよく温かい雰囲気のグリフィンドールの談話室に対し、スリザリンの談話室は狡猾で野心的な生徒たちの性格に合わせて、冷たく高慢な感じの空間としてデザインされました。プロダクションデザイナーのスチュアート・クレイグによると、ホグワーツ城から離れた場所、黒い湖の地下牢に位置するこの談話室は「岩から削り出された空間のように見せる」ことをめざしたそうです。
部屋のなかに置かれた黒い革張りのソファや木製の椅子は、薄暗い談話室の渋い雰囲気づくりに一役買っています。暗い雰囲気をさらに強調するため、壁に飾られているタペストリーには暖色系が一切なく、談話室全体に青緑色の影を落としています。
*スタジオツアーロンドンの写真
■ハグリッドの小屋
禁じられた森のすぐ近くには、ホグワーツの鍵と森を守る番人であり、のちに魔法生物飼育学教授となる半巨人ルビウス・ハグリッドの小屋があります。
スタジオツアー東京では、映画撮影時の様子そのものを再現し、小屋の後ろの壁をなくしているため、セットのなかを歩いて探索していただけます。このセットの内装には、燃え盛る火のなかで今にも割れそうなドラゴンのノーバートの卵から、『ハリー・ポッターと秘密の部屋』でロンが吐き散らかしたナメクジがうごめくバケツまで、隠し要素も楽しむことができます。目ざといファンは、たくさんあるハグリッドの鍋や釜のどれかに隠れているネズミのスキャバーズも発見することができるでしょう。
*スタジオツアーロンドンで撮影
■禁じられた森
禁じられた森の2つのエリアを探索する機会をご用意しました。温かいハグリッドの小屋にたどり着くかもしれませんし、足を進めるたびに暗さを増す森の中心部に迷い込んでしまうかもしれません。
どちらの道を選んだとしても、ヒッポグリフのバックビークをはじめとするフレンドリーな魔法動物に出会えるでしょう。しかし暗闇の中を進むと、木々を飛び回る吸魂鬼(ディメンター)や闇に潜むアクロマンチュラ
のアラゴグなど、魔法ワールドの恐ろしい生き物と対峙することになります。
*スタジオツアーロンドンの写真
■9と4分の3番線ホグワーツ特急
魔法使いや魔女の乗り物としてまず思い浮かぶのは箒ですが、長距離を移動するときはほかの交通機関も使います。そのなかでも、9と4分の3番線からホグワーツ魔法魔術学校へと何百人もの生徒を運んできたホグワーツ特急ほど有名な魔法の移動手段はないでしょう。
9と4分の3番線に立ち、手押しカートを壁に押し込むようなポーズで記念撮影をしたら、シリーズ各作品で思い出深いシーンを描いてきたホグワーツ特急に乗り込みましょう。
*スタジオツアーロンドンで撮影
■バックロット
スタジオツアーのバックロットには、映画シリーズのファンにはお馴染みの印象的ないくつかの屋外セットがあります。質素なハグリッドの小屋やプリベット通り4番地のダーズリー家などのセットを歩き回り、映画制作の細部を観察してみましょう。
また、もともと原作小説や脚本には書かれていなかったものの、ホグワーツの最も印象的な景色となったホグワーツ橋を歩くこともできます。『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』での初登場シーンでは、この橋の一部のみが建設され、ほかの部分はCGの効果を用いて制作されました。また、約7メートルの高さの夜の騎士バス(もともとロンドンの2階建バスを3台分のパーツをつなぎ合わせてつくられました)や『ハリー・ポッターと賢者の石』の魔法使いのチェスの駒も見つけることができるでしょう。
*スタジオツアーロンドンで撮影
*スタジオツアーロンドンで撮影
■ダイアゴン横丁
ダイアゴン横丁は『ハリー・ポッターと賢者の石』で初めて制作されましたが、続編映画にも何度も登場しています。壁の位置や店の並びを変更したり、建物全体の角度を左右に微妙に変えたりして、完全な街並みが作られています。さらに『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』の撮影では、ダイアゴン横丁のセットの数々が雪化粧したホグズミード村に変身しました。
ダイアゴン横丁の端にあるオレンジ色と紫色でできた3階建て建物、ウィーズリー兄弟のいたずら専門店「ウィーズリー・ウィザード・ウィーズ店」のなかには、伸び耳から惚れ薬までありとあらゆるものが並んでいます。18世紀の店先に似せたデザインのその店は建築に3か月以上かかりましたが、メイン玄関の上にある約6メートルの動くマネキンの制作にほとんどの時間が費やされました。フレッドとジョージ・ウィーズリー兄弟のいたずら好きなユーモアのセンスは、グラフィックデザインチーム「ミナリマ」によって個別にデザインされた120の商品に反映されています。
■ファンタスティック・ビーストの制作の旅
映画『ファンタスティック・ビースト』シリーズの制作開始に伴い、制作陣は、実物のSFXからデジタルクリエイションの世界に移行していました。スタジオツアーのこのエリアでは、エディ・レッドメイン(といたずら好きなニフラー)が出演する一連のビデオ展示で、クリーチャーのモデリング、リギング、アニメーション、テクスチャー、コンポジットがどのように行われたかを学びながら、このプロセスの各段階を詳しく体験することができます。 このエリアの最後には、木々の間を動き回り、来場者の動きを追跡し、互いに注意を引くために戦うボウトラックル(Bowtruckles)の展示があります。
■クリーチャーショップ
映画「ハリー・ポッター」シリーズの魔法動物や魔法、超自然的な存在など、その世界観がどのようにつくられたかを見ることができるほか、20年間のクリーチャー効果の発展についても展示します。
「ハリー・ポッター」シリーズの初期作品群では、クリーチャーチームによって、バジリスクやバックビーク、ヴォルデモート卿の蛇のような顔やゴブリン(小鬼)のグリップフックの特殊メイクなど、数百体の実際のクリーチャーや細かな特殊メイクが作られました。制作が進むにつれ、クリーチャー効果部門の技術は新たな視点を得て、マケットと呼ばれるマネキンの開発に注力するようになりました。それらは視覚効果部門によってスキャンされ、CGモデルとして使われました。
*スタジオツアーロンドンで撮影
■ホグワーツの模型
美術チームの最高傑作とも言えるのが、精巧に作られたホグワーツの模型です。『ハリー・ポッターと賢者の石』のため、86名の職人によってこの模型の初版が作られました。この魔法学校をよりリアルに表現するため、職人たちの手によってアニック城やダラム大聖堂の中庭のミニチュアが作られ、1作目のシーンが撮影されました。この制作過程を通して、ホグワーツ城の最終形ができ上がりました。
撮影では精密に作られた模型の映像にデジタル効果を融合させることで、ホグワーツ魔法魔術学校の外観がつくられ、ファンのお気に入りであるホグワーツ城が完成しました。スクリーン上で観られる中庭や大小の塔は、模型を撮影し、それをデジタル処理することで、印象的な魔法学校のリアルな姿を再現しています。また、照明用の光ファイバーを2500本あまり使い、ランプやたいまつを表現しました。この技術を用いて、生徒たちが廊下を通り過ぎる様子も表現しています。
*スタジオツアーロンドンで撮影
エクスペリエンス(体験)
■ブルームエクスペリエンス
ここでは、映画「ハリー・ポッター」シリーズで使われたグリーンスクリーン技術を体験することができます。ホグワーツ城のまわりを箒に乗って飛び回り、三大魔法学校対抗試合で登場した獰猛なハンガリー・ホーンテール種のドラゴンから逃げましょう!
箒に乗って、ハリー・ポッター役になりきり、ファンが大好きなシーンの一部をダニエル・ラドクリフのように体験することができます。まるで本当に火を噴く敵に追われているかのように、飛びながら身をかわし、身を隠す方法を学びましょう。
撮影が終わったら、グリーンスクリーン体験での撮影映像と本物の映画の映像と合わせて編集した、ご自身が三大魔法学校対抗試合のヒーローになった映像をご覧いただけます。またこのユニークで高画質の映像は、スタジオツアーのお土産として持ち帰ることもできます。
*スタジオツアーロンドンで撮影
■クィディッチエクスペリエンス
スタジオツアーでは、皆さまをホグワーツで開催されるクィディッチの試合に招待し、観客の一員として応援していただく特別な体験をご用意しました。
日本語吹替版でハリー・ポッターの声を務めた小野賢章のガイドにより、魔法スポーツのクィディッチが才能ある制作陣の手によってどのようにつくられたかを学ぶことができます。その後、クィディッチ・スタンドの席につき、スリザリン対グリフィンドールの白熱した試合でどちらのチームを応援していただきます。撮影時の俳優と同様に、ドラマチックな展開を楽しみましょう。試合を体験した後には、自分が魔法ワールドの一員となった映像を観ることもできます。
■ホグワーツの動く肖像画
日刊予言者新聞に掲載されたシリウス・ブラックの強面の指名手配写真や、ダンブルドアの部屋でおしゃべりをするホグワーツ前校長たちの肖像画など、魔法ワールドはまるで生きているように動いたり喋ったりする写真や肖像画にあふれています。
今回初めて、ワーナーブラザーススタジオツアー東京では、立派な魔女や魔法使いの仲間入りをし、お気に入りのポーズでホグワーツの廊下に飾られる魔法の肖像画を撮影することができます。またその体験を映像に撮影し、思い出としてお持ち帰りいただくことも可能です。
*スタジオツアーロンドンで撮影
スタジオツアーショップ
■スタジオツアー・ショップ
スタジオツアーには、世界最大のハリー・ポッターショップがあり、7,000以上の特注品や特別に調達した小道具で飾られた14のテーマ別セクションがあります。ハニーデュークス、オリバンダーの店、フローリッシュ・アンド・ブロッツ書店など、ダイアゴン横丁のショップの要素を取り入れた美しいデザインのエリアです。また、ワーナーブラザーススタジオツアー東京限定アイテムも多数販売されます。
*スタジオツアーロンドンの写真
*スタジオツアーロンドンで撮影
レストラン&カフェ
■チョコレートフロッグカフェ
魔法ワールドをイメージしたバラエティ豊かなスイーツをスタジオツアーの前後にお楽しみいただけます。
■バックロットカフェ
ツアーの合間に魔法ワールドをテーマにした料理とデザートをお楽しみいただけます。また、スペシャルな雰囲気でお楽しみ頂けるアンブリッジ教授のアフターヌーンティーもご用意しております。
*スタジオツアーロンドンの写真
*スタジオツアーロンドンで撮影
■フードホール
フィッシュ&チップス、ローストビーフ、イングリッシュブレックファストなど、英国の伝統的な料理を含む朝食とランチを提供しています。
■バタービール
世界最大のバタービールバーで、有名な魔法ワールドの飲み物、バタービールを開放的なテラスでお楽しみいただけます。
*スタジオツアーロンドンの写真
*スタジオツアーロンドンで撮影
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