ダニエル・ラドクリフ(ハリー・ポッター)
シリーズを通じて主人公のハリー・ポッターを演じ、シリーズ最終章となる『ハリー・ポッターと死の秘宝』2部作(10、11年公開予定)にも引き続き出演する。
このほか映画の出演作に、オーストラリア映画『ディセンバー・ボーイズ』(07)、英のTV映画「ダニエル・ラドクリフのマイ・ボーイ・ジャック」(07・未/キム・キャトラル、キャリー・マリガン、デイビッド・ヘイグ共演)など。後者では、作家ルドヤード・キプリングの息子で第一次大戦に出兵して行方不明となったジャックを好演した。
TV作品では英BBC放送「デビッド・コパーフィールド」(99・未/チャールズ・ディケンズ原作)で幼き日のコパーフィールドを演じ、英BBC放送のTV賞受賞シリーズ「エキストラ2:スターに近づけ!」(06・未)では本人役でゲスト出演した。
舞台俳優としては、2007年にピーター・シェーファー作「エクウス」(テア・シャーロック演出)で「ハリー・ポッター」シリーズでおなじみのリチャード・グリフィスと共演し、英ウエストエンドとブロードウェイにデビュー。アラン・ストラング役を好演して、ブロードウェイ・ワールド主催の演劇ファン年間大賞の主演男優賞、ブロードウェイ.Com観客賞の主演男優賞と新人賞を獲得し、米ドラマデスク賞と米ドラマリーグ賞にノミネートされた。
ルパート・グリント(ロン・ウィーズリー)
デビュー作となった『ハリー・ポッターと賢者の石』(01)からハリーの親友でクラスメートのロンを演じ、シリーズ最終章となる『ハリー・ポッターと死の秘宝』2部作(10、11年公開予定)にも出演。
幼いころから学芸会や児童劇団で「アニー」「ピーターパン」「ルンペルシュティルツキン」などの舞台に立つ。『ハリー・ポッターと賢者の石』で全英映画批評家協会賞の新人賞にノミネートされ、米ヤング・アーティスト賞を受賞。また、イギリスを代表する映画誌「エンパイア」より、シリーズを通じた好演が認められ、ダニエル・ラドクリフ、エマ・ワトソンともども特別功労賞を受賞した。
ほかの出演作に、少年発明家を演じた『サンダーパンツ!』(02/ピーター・ヒューイット監督、サイモン・キャロウ、スティーブン・フライ、ポール・ジアマッティー共演)、ジェレミー・ブロック監督のインディペンデント映画『Driving Lessons』(06/ジュリー・ウォルターズ、ローラ・リニー共演)、ヨーロッパの複数の国際映画祭で高い評価を得たイギリスのインディペンデント作品『Cherrybomb』(09)など。ごく最近は、ジョナサン・リン監督『Wild Target』(09)でエミリー・ブラント、ビル・ナイと共演。この新作はフランス映画『めぐり逢ったが運のつき』(93)のリメイク版で、足を洗おうとする殺し屋が女詐欺師に振り回されるというコメディだ。
エマ・ワトソン(ハーマイオニー・グレンジャー)
シリーズを通じてハリー・ポッターとロン・ウィーズリーの親友ハーマイオニーを演じる。シリーズ最終章となる『ハリー・ポッターと死の秘宝』2部作(10、11年公開予定)にも出演。
シリーズ第1作『ハリー・ポッターと賢者の石』(01)でプロデビューを果たし、米ヤング・アーティスト賞の主演女優賞を受賞。『ハリー・ポッターと秘密の部屋』(02)と『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』(04)では2作連続して米AOL賞に輝き、『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』と『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』(05)で米放送映画批評家協会賞のクリティックス・チョイス賞にノミネートされた。さらに『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』の演技で、英の映画誌「トータル・フィルム」の読者投票によってニュー・パフォーマー賞を獲得。同じく英の映画誌「エンパイア」よりシリーズを通した好演が認められ、ダニエル・ラドクリフ、ルパート・グリントともども特別功労賞を受賞した。
ほかの出演作に、ポーリン・フォッシル役を演じた英BBC放送のTV映画「バレエ・シューズ」(07・未/ビクトリア・ウッド、リチャード・グリフィス、エミリア・フォックス共演)、プリンセス・ピーの声を担当したアニメーション映画『The Tale of Despereaux』(08)がある。
ジム・ブロードベント(ホラス・スラグホーン)
魔法薬学の教師スラグホーンに扮する。スラグホーンはヴォルデモート卿の恐るべきパワーの源について重要な情報を握っている。
ロンドン音楽演劇アカデミーに学び、英ロイヤル・ナショナル・シアターや英ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーなどの舞台作に多数出演。映画俳優としては、マイク・リー監督『トプシー・ターヴィー』(99・未)でイギリスの喜歌劇作家W.S.ギルバートに扮してロンドン映画批評家協会賞とベネチア国際映画祭の主演男優賞を獲得。リチャード・エア監督、ジュディ・デンチ共演の伝記映画『アイリス』(01)では女流作家アイリス・マードックの献身的な夫ジョン・ベイリーを好演し、米アカデミー賞<訳注:丸文字のR入る>、ゴールデングローブ賞、ロサンゼルス映画批評家協会賞、米ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞に輝き、米映画俳優協会賞と英アカデミー賞にノミネートされた。バズ・ラーマン監督の異色ミュージカル『ムーラン・ルージュ』(01)でもロサンゼルス映画批評家協会賞と英アカデミー賞を射止めた。
このほかの出演作に、『ライフ・イズ・スイート』(91/マイク・リー監督)、『クライング・ゲーム』(92/ニール・ジョーダン監督)、『ブロードウェイと銃弾』(94/ウディ・アレン監督)、『リチャード三世』(95/リチャード・ロンクレイン監督)、『ギャング・オブ・ニューヨーク』(01/マーティン・スコセッシ監督)、「ブリジット・ジョーンズの日記」1、2作(01、04)、『Bright Young Things』(03/スティーブン・フライ監督)、『ヴェラ・ドレイク』(04/マイク・リー監督)、『悪女』(04・未/ミーラ・ナイール監督)、『ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女』(05)、『アートスクール・コンフィデンシャル』(06・未)、『ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!』(07)など。アニメーション作品では『ロボッツ』(05)や『Valiant』(05)で声優を務めた。
近年では、スティーブン・スピルバーグ監督の大作『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』(08)でハリソン・フォードと共演したほか、ファンタジー・アドベンチャー『Inkheart』(08)、歴史ドラマ『The Young Victoria』、イギリスのインディペンデント作品『The Damned United』(共に09)などに顔を見せている。
TV作品では計40本あまりのシリーズ、ミニシリーズ、映画に出演。米HBO放送のTV映画「チャーチル/大英帝国の嵐」(02・未)でゴールデングローブ賞とエミー賞にノミネートされ、TV映画「Longford」(06)でエミー賞候補にあがり、ゴールデングローブ賞と英アカデミー賞を受賞。このほか米HBO放送のTV映画「Einstein and Eddington」(08)で好演した。
ヘレナ・ボナム=カーター(ベラトリックス・レストレンジ)
前作『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』(07)に続いてヴォルデモート卿を信奉する死喰い人のひとり、ベラトリックスに扮する。シリーズ最終章にあたる『ハリー・ポッターと死の秘宝』2部作(10、11年公開予定)にも出演。
母国イギリスとアメリカの両国で映画、TV、舞台に活躍。最近ではマックG監督のアクション大作『ターミネーター4』(09)に出演した。
トレバー・ナン監督の史劇『レディ・ジェーン 愛と運命のふたり』(85・未)で主役を演じて映画界にデビュー。その直後、ジェイムズ・アイボリー監督に見そめられて、E・M・フォスター原作『眺めのいい部屋』(85)に主演する。フォスター小説の映画版ではチャールズ・スターリッジ監督『天使も許さぬ恋ゆえに』(91・未)とジェイムズ・アイボリー監督『ハワーズ・エンド』(92)にも出演し、後者で英アカデミー賞にノミネートされた。ヘンリー・ジェイムズ原作『鳩の翼』(97)では英米アカデミー賞<訳注:丸文字のR入る>、ゴールデングローブ賞、米映画俳優協会賞にノミネートされ、ロサンゼルス批評家協会賞、イギリス放送報道協会賞、米ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞ほか数多くの批評家団体より主演女優賞が贈られた。
ほかの出演作に、フランコ・ゼフィレッリ監督『ハムレット』(90/メル・ギブソン共演)、ケネス・ブラナー監督、主演『フランケンシュタイン』(94)、ウディ・アレン監督『誘惑のアフロディーテ』(95)、トレバー・ナン監督『十二夜』(96)、デビッド・フィンチャー監督『ファイト・クラブ』(99/ブラッド・ピット、エドワード・ノートン共演)、ティム・バートン監督の『PLANET OF THE APES 猿の惑星』(01)と『ビッグ・フィッシュ』(03)と『チャーリーとチョコレート工場』(05)、『Carnivale』(00)、『ノボケイン 局部麻酔の罠』(01)、『The Heart of Me』(02)、『記憶のはばたき』(02)、『カンバセーションズ』(05)など。アニメーション映画では、ティム・バートン監督『ティム・バートンのコープスブライド』と米アカデミー賞<訳注:丸文字のR入る>受賞作『ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!』(共に05)で声優を務めた。
TVでは、「暗殺調書」(93・未)でマリーナ・オズワルドを演じてゴールデングローブ賞にノミネートされ、ミニシリーズ「エクスカリバー 聖剣伝説」(98)とTV映画「ライブ・フロム・バグダッド 湾岸戦争最前線」(02・未)でエミー賞とゴールデングローブ賞の候補にあがる。さらに、英のTV映画「キング・オブ・ファイヤー」(03・未)でアン・ブリン役、同「Magnificent 7」(05)で自閉症の息子4人を含む7人の子供を抱える母親を好演した。
舞台女優としては、「白衣の女」「ベルナルダ・アルバの家」「The Chalk Garden」「Trelawny of the Wells」といった作品に顔を見せている。
ロビー・コルトレーン(ルビウス・ハグリッド)
シリーズを通じてホグワーツの人気者ハグリッドを演じる。森の番人であるハグリッドは大小さまざまな魔界生物の世話を一手に引き受けている。シリーズ最終章となる『ハリー・ポッターと死の秘宝』2部作(10、11年公開予定)にも引き続き出演。
シリーズ1作目『ハリー・ポッターと賢者の石』(01)で英アカデミー賞とロサンゼルス映画批評家協会賞にノミネートされたほか、コメディ『ナンズ・オン・ザ・ラン 走れ!尼さん』(90)で英イブニング・スタンダード賞のピーター・セラーズ賞を獲得した。
おもな映画の出演作に、『ダウニング街の陰謀』(85・未)、『モナリザ』『ビギナーズ』(共に86)、『ハリウッド夢、夢物語』(89・未/カール・ライナー監督)、『ヘンリー五世』『のるかそるか』(共に89)、『法王さまご用心』(90)、『ハックフィンの大冒険』(93/スティーブン・ソマーズ監督)、『007 ゴールデンアイ』(95)、『バディ』(97・未)、『メッセージ・イン・ア・ボトル』(99/ルイス・マンドーキ監督)、『007 ワールド・イズ・ノット・イナフ』(99)、『フロム・ヘル』(01/ヒューズ兄弟監督、ジョニー・デップ共演)、『オーシャンズ12』(04/スティーブン・ソダーバーグ監督)、『ヴァン・ヘルシング』(04/スティーブン・ソマーズ監督)、数々の映画祭で上映された『The Brothers Bloom』、アニメーション作品『The Tale of Despereaux』(共に08)などがある。
1980年代前半からコメディ俳優として人気を博し、イギリス内外で放映されたTVシリーズ「心理探偵フィッツ」(93〜96)で一躍知名度を上げた。主人公のフィッツこと心理学者エディ・フィッツジェラルド役を好演して、イギリス放送報道協会賞、モンテカルロTV祭のシルバー・ニンフ賞、王立TV協会賞、フランス国際TV映像フェスティバル賞、米ケーブルエース賞に輝き、94〜96年の3年連続で英アカデミーTV賞を受賞した。この人気シリーズは幾度となくTV映画になり、06年秋に最新作がオンエアされた。
このほかTV俳優として、「Kick Up the Eighties」(81)、「Alfresco」(83〜84)、「Laugh??? I Nearly Paid My Licence Fee」(84)、「サタデー・ナイト・ライブ」(91)、「Comic Strip」(82〜93)、「Blackadder the Third」(87)、「Blackadder Christmas Carol」(88)、「そりゃないぜ!? フレイジャー」(04)などのシリーズに出演し、「Tutti Frutti」(87)でダニー・マグロン役を得て英アカデミーTV賞にノミネートされた。TV映画「The Ebb-Tide」(98)や「アリス・イン・ワンダーランド/不思議の国のアリス」(99・未)といったTV映画にも顔を見せ、「The Planman」(03)では製作総指揮を兼任した。
こうした実績が認められ、06年に大英勲章第四位が授与された。
マイケル・ガンボン(アルバス・ダンブルドア)
シリーズ3作目『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』(04)から、知恵と人望を備えたホグワーツの校長ダンブルドアを演じている。
40年あまりのキャリアをもつベテラン俳優。イギリス内外の舞台、映画、TVで活躍し、1998年にエリザベス二世よりナイトの称号が贈られた。
アイルランド出身。ダブリンのエドワーズ=マクラマー・ゲート・シアターに所属してプロデビューし、63年にローレンス・オリビエ率いる英ナショナル・シアター・カンパニーに一期生として入団。その後、英バーミンガム・レパートリー・シアターに移り、「オセロ」に主演した。
映画界では、ロバート・アルトマン監督『ゴスフォード・パーク』(01)でほかのアンサンブル・キャストとともに米クリティックス・チョイス賞を受賞。ほかの出演作に、『コックと泥棒、その妻と愛人』(89)、『The Gambler』(97)、『鳩の翼』(97)、『Dancing at Lughnasa』(98)、『The Last September』(99)、『インサイダー』『スリーピー・ホロウ』(共に99)、『シルヴィア』『ワイルド・レンジ 最後の銃撃』(共に03)、『スカイ・キャプテン ワールド・オブ・トゥモロー』(04)、『ライフ・アクアティック』(05/ウェス・アンダーソン監督)、『オーメン』『グッド・シェパード』(共に06)、『恋愛上手になるために』(07/ジェイク・パルトロウ監督)、『Brideshead Revisited』(08)など。10年春にはヒューズ兄弟監督、デンゼル・ワシントン共演の世紀末ドラマ『The Book of Eli』が公開を控えている。
TVシリーズでは、主役を務めた「The Singing Detective」(86)で王立TV協会賞とイギリス放送報道協会賞、「Wives and Daughters」(99)で王立TV協会賞を受賞。「Longitude」(00)と「Perfect Strangers」(01)では計4つの英アカデミーTV賞に輝いた。また、米HBO放送のTV映画「ジョンソン大統領/ヴェトナム戦争の真実」(02・未)で元アメリカ大統領のリンドン・ベインズ・ジョンソンに扮してエミー賞とゴールデングローブ賞にノミネートされた。このほか、TV賞受賞のミニシリーズ「エンジェルス・イン・アメリカ」(04・未/マイク・ニコルズ監督)、米HBO放送のTV映画「Joe's Palace」(04)、英BBC放送のミニシリーズ「Masterpiece Theatre: Cranford」(07)、米BBC放送のシリーズ「Emma」(09)などに顔を見せている。
舞台俳優としては、アラン・エイクボーン作「A Chorus of Disapproval」で英オリビエ賞、「Volpone」で英イブニング・スタンダード賞を受賞。87年にロンドンでリバイバル上演された「A View from the Bridge」(アーサー・ミラー作)では英オリビエ賞をはじめとする数々の演劇賞に輝いた。ほかの出演作に「Alice's Boys」、サイモン・グレイ作「Otherwise Engaged」、アラン・エイクボーンの3作品「The Norman Conquests」「Just Between Ourselves」「Man of the Moment」、ハロルド・ピンター作「Old Times」、タイトルと同名の役に扮した「ワーニャ伯父さん」、ジャック・レモン共演「Veterans Day」、ニコラス・ハイトナー演出「Cressida」(英アルメイダ・シアターにて上演)、パトリック・マーバー演出「Caretaker」(英ウエストエンドにて上演)、スティーブン・ダルドリー演出「A Number」(英ロイヤル・コート・シアターにて上演)など。また、英ロイヤル・ナショナル・シアターの作品では、デイビッド・エア作「Skylight」(英ウエストエンドとブロードウェイで上演)、ハロルド・ピンター作「Betrayal」と「Mountain Language」、サイモン・グレイ作「Close of Play」、クリストファー・ハンプトン作「Tales from Hollywood」、アラン・エイクボーン作「Sisterly Feelings」と「A Small Family Business」、リー・エバンス共演「Endgame」、フォルスタッフ役で出演した「ヘンリー四世 第一、二部」がある。
アラン・リックマン(セブルス・スネイプ)
シリーズを通じて謎多きスネイプ先生を演じている。
イギリス出身。舞台俳優として不動の地位を築き、アクション大作『ダイ・ハード』(88)で映画界に進出して以来、映画、TV、舞台で活躍している。
おもな映画の出演作に、『裏切りのKISS』(98・未)、 『ギャラクシー・クエスト』『ドグマ』(共に99)、『シャンプー台の向こうに』(00)、『ラブ・アクチュアリー』(03)、『スノーケーキを君に』(06・未)、『パフューム ある人殺しの物語』(06)など。また、アンソニー・ミンゲラ監督『愛しい人が眠るまで』とスティーブン・ポリアコフ監督『クローズ・マイ・アイズ』(共に90)で英イブニング・スタンダード賞とロンドン映画批評家協会賞を受賞。続く『ロビン・フッド』(91)でノッティンガムの代官に扮して英アカデミー賞、英イブニング・スタンダード賞、ロンドン映画批評家協会賞に輝く。『Mesmer』(94)でモントリオール国際映画祭の主演男優賞を受賞、アン・リー監督『いつか晴れた日に』(95・未)とニール・ジョーダン監督『マイケル・コリンズ』(96)で英アカデミー賞にノミネートされた。近作『Nobel Son』(07)ではシアトル国際映画祭の男優賞を受賞した。
近年ではティム・バートン監督の異色ミュージカル『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』(07/スティーブン・ソンドハイム原作)でターピン判事を好演。バートン監督とは、10年全米公開のファンタジー映画『Alice in Wonderland』でも組む予定だ。
映画監督としては、『ウィンター・ゲスト』(97)でデビュー。この初監督作では原作の戯曲を書いたシャーマン・マクドナルドとともに脚色も担当し、ベネチア国際映画祭2部門で受賞し、同金獅子賞候補にあがり、シカゴ国際映画祭で作品賞に輝いた。
TV映画では、「ラスプーチン」(96・未)で主役を務めてエミー賞、ゴールデングローブ賞、米映画俳優協会賞を獲得。米HBO放送「奇蹟の手/ボルチモアの友情」(04・未)ではエミー賞にノミネートされた。
舞台俳優としては、イギリスの王立演劇アカデミーで学んだ後、英ロイヤル・シェークスピア・カンパニーに2シーズン在籍。1985年にイギリスで初上演された「危険な関係」(バルモン子爵役)は2年後にブロードウェイで上演され、リックマンはトニー賞候補にあがった。近年では、ノエル・カワード作「Private Lives」(英ウエストエンドで上演)で英バラエティ・クラブ賞を受賞し、英オリビエ賞、英イブニング・スタンダード賞、米トニー賞にノミネートされた。演出を手がけた舞台作品には、イギリス観客賞の作品賞と監督賞に輝いた「My Name is Rachel Corrie」(英ウエストエンドからブロードウェイに進出)、アウグスト・ストリンドバーグ作「Creditors」(英ドンマー・ウェアハウスで初上演され、10年に米ブルックリン・アカデミーにて上演予定)などがある。
マギー・スミス(ミネルバ・マクゴナガル)
シリーズを通じてホグワーツのマクゴナガル副校長を演じる。
イギリスを代表する大女優で、受賞歴も豊富。『ミス・ブロディの青春』(69)と『カリフォルニア・スイート』(78)でそれぞれオスカー<訳注:丸文字のR入る>を受賞。前者で英アカデミー賞を受賞、ゴールデングローブ賞にノミネートされ、後者ではゴールデングローブ賞と英イブニング・スタンダード賞を受賞、英アカデミー賞にノミネートされた。また、『オセロ』(65)、『Travels with My Aunt』(72)、『眺めのいい部屋』(86)でオスカー<訳注:丸文字のR入る>候補となり、『眺めのいい部屋』で英アカデミー賞とゴールデングローブ賞を獲得。『最強最後の晩餐』(84・未)と『The Lonely Passion of Judith Hearne』(87)で英アカデミー賞に輝き、後者では英イブニング・スタンダード賞も受賞した。さらに、ロバート・アルトマン監督『ゴスフォード・パーク』(01)で米クリティックス・チョイス賞と米映画俳優協会賞に輝き、英米アカデミー賞<訳注:丸文字のR入る>とゴールデングローブ賞にノミネートされた。
1952年からオックスフォード大学演劇協会に所属して演技を磨き、56年にニューヨークで開催された「The New Faces of 1956 Revue(新人レビュー祭)」でプロデビュー。その3年後、英オールド・ビク・カンパニーに入団し、62年に「The Private Ear」と「The Public Eye」の2作品で英イブニング・スタンダード賞を受賞した。翌年には英ナショナル・シアターに移籍し、「オセロ」でローレンス・オリビエの相手役デズデモーナに抜擢された。以来、舞台、映画、TVと活躍の場を広げている。
おもな映画の出演作に、『三人の女性への招待状』(66)、『名探偵登場』(76)、『ナイル殺人事件』(78)、『ストップ・ザ・売春天国』(83・未)、『フック』(91/スティーブン・スピルバーグ監督)、『天使にラブ・ソングを…』(92)、『秘密の花園』(93)、『リチャード三世』(95)、『ファースト・ワイフ・クラブ』(96)、『Washington Square』(97)、『The Last September』(99)、『ヤァヤァ・シスターズの聖なる秘密』(02)、『ラヴェンダーの咲く庭で』(04)、『Becoming Jane』(07)などがある。
TV映画では、「去年の夏、突然に」(59・未)と「デビッド・コパーフィールド」(99・未)でエミー賞候補となり、後者では英アカデミーTV賞にもノミネートされる。また「All for Love」(83)と「Memento Mori」(92)でも英アカデミーTV賞にノミネートされ、ミニシリーズ「Talking Heads」(87)では王立TV協会賞を獲得した。近年では米HBO放送「美しきイタリア、私の家」(03・未)でエミー賞を射止めた。
舞台女優としてはロンドンとニューヨークを中心に現在も活躍。英ナショナル・シアター時代の出演作に「Black Comedy」「令嬢ジュリー」「The Country Wife」「The Beaux Stratagem」「空騒ぎ」「ヘッダ・ガブラー」など。また、「Night and Day」「Private Lives」で米トニー賞候補となり、「Lettice and Lovage」で同賞を受賞。「Virginia」「Three Tall Women」で英イブニング・スタンダード賞に輝いた。
90年にデイムの称号、93年に英アカデミー賞の生涯功労賞が贈られ、現在は英国映画協会の特別会員を務めている。
トム・フェルトン(ドラコ・マルフォイ)
シリーズを通じて、スリザリンのリーダーでハリー・ポッターのライバルのドラコに扮し、『ハリー・ポッターと死の秘宝』2部作(10、11年公開予定)にも出演。今回のドラコはヴォルデモート卿から重大な任務を任される。
8歳から子役として活躍し、ピーター・ヒューイット監督『ボロワーズ 床下の小さな住人たち』(97・未)でピーグリーン役を演じる。このときの好演がアンディ・テナント監督の目にとまり、大作『アンナと王様』(99)でジョディ・フォスター演じるアンナの息子ルイス役に抜擢された。
イギリスでは、ジェイムズ役を得たTVシリーズ「Bugs」(98)、クライブ・オーウェン共演のTV映画「セカンド・サイト」(99・未)、英BBC放送ラジオ4のラジオ劇「The Wizard of Earthsea」「Here's to Everyone」などに出演。
有名企業のCMにもひっぱりだこである。
イバンナ・リンチ(ルーナ・ラブグッド)
シリーズ前作『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』(07)で映画界にデビュー。今回もハリー・ポッターのクラスメート、ルーナ役を再演する。
アイルランド出身。かねてから「ハリー・ポッター」シリーズの大ファンで、2006年春におこなわれたルーナ役の公開オーディションに応募。ルーナの“不思議ちゃん”キャラを完全につかんで、1万5千人あまりの候補者を押しのけて合格した。シリーズ最終章となる『ハリー・ポッターと死の秘宝』2部作(10、11年公開予定)にも引き続き出演する。
ボニー・ライト(ジニー・ウィーズリー)
ウィーズリー家の末娘ジニーを再演。シリーズ最終章の『ハリー・ポッターと死の秘宝』2部作(10、11年公開予定)でも、ロンの“幼い”妹からハリー・ポッターの“意中の人”へ成長したジニーを演じる。
このほか、英米でオンエアされたTVドラマ「ザ・サバイバー 漂流者」(01・未/ホールマーク製作)や若き日のアガサ・クリスティーに扮した「アガサ・クリスティー/謎の失踪 失われた記憶」(04・未)に出演。米ディズニー・チャンネルのアニメーション・シリーズ「The Replacements」(07)では声優にチャレンジした。
音楽好きで、ギターとサキソフォンの演奏が得意である。
ジェシー・ケイブ(ラベンダー・ブラウン)
過激な愛情表現が身上のラベンダー・ブラウンはロン・ウィーズリーの初めてのガールフレンドだ。
ロンドンのキングストン大学でイラストとアニメーションを学び、劇場の裏方として働いた後、女優志望へ転向。2008年に、英サフォーク州のフリースクールを描いたイギリスのTV映画「Summerhill」でステラ役を演じてプロデビューを果たした。名門のオックスフォード演劇学校に合格していたが、ラベンダー役に決まったため、現在は入学を見合わせている。
趣味は物語の創作、デッサン、イラスト。
ヒーロー・ファインズ・ティフィン(11歳のトム・リドル)
孤児院時代のトム・リドルを演じる。リドルはこのころから超人的な能力を操っていた。
今年の11月で12歳の誕生日を迎える。イギリスのインディペンデント映画『Bigga Than Ben』(08)でスリの少年に扮して映画界にデビューした。
スポーツ好きで、とくにサッカーに熱中。ロンドンの少年サッカーチーム、ランベス・オールスターズでプレーしている。プロチームでは、ロンドンのウエストハム・ユナイテッドがひいきだそうだ。
フランク
・ディレイン(16歳のトム・リドル)
ティーンエイジャーのトムに扮する18歳。
現在は高校修了資格の取得をめざして通学中。勉強のかたわら、パブでアルバイトをして、ギャップ・イヤー(イギリスの制度。社会的見識を広めるため、大学への入学を一年ほど延期できる)中の旅行資金をためている。
製作者
デイビッド・イェーツ(監督)
前作『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』(07)でイギリスの映画誌「エンパイア」が選ぶ最優秀監督賞を受賞。シリーズ最終章となる『ハリー・ポッターと死の秘宝』2部作(10、11年公開予定)でもメガホンをとる。
英マージーサイドのセント・へレンズで育ち、英エセックス大学と米ワシントンD.C.のジョージタウン大学で政治学を学ぶ。脚本を兼ねた短編『When I Was a Girl』(88)で初めてメガホンをとり、アイルランドのコーク国際映画祭の短編映画賞とサンフランシスコ国際映画祭のゴールデン・ゲート賞に輝いた。また、この初監督作が認められて英ビーコンズフィールドの国立映画TV学院に入学。卒業制作の『Good Looks』(92)でシカゴ国際映画祭のシルバー・ヒューゴ賞を受賞し、スティーブン・フライ、ジョン・ギールグッド共演『The Tichborne Claimant』(98)で長編映画に進出した。
その後、おもにイギリスのTV界で活躍し、英BBC放送のミニシリーズ「The Way We Live Now」(01/マシュー・マクファディン、ミランダ・オットー共演)で英アカデミーTV賞を獲得。続く、TVシリーズ「ステート・オブ・プレイ 陰謀の構図」(03・未)で同賞にノミネートされ、英監督協会賞の特別演出賞、イギリス放送報道協会賞、王立TV協会賞、加バンフTV祭ロッキー賞に輝いた。
翌年には人身売買の闇ルートに肉薄した二部構成のTVドラマ「セックス・トラフィック」(04・未)で英アカデミーTV賞8部門、王立TV協会賞4部門(共に監督賞、作品賞を含む)を獲得、英監督協会賞にノミネートされた。海外では、仏ランス国際TV映画祭の審査員賞、モンテカルロTV祭のゴールド・ニンフ賞を受賞。
米HBO放送のTV映画「ある日、ダウニング街で」(05・未)ではビル・ナイ、ケリー・マクドナルドをメインキャストに起用して、エミー賞の監督賞にノミネートされた。ほかの監督作に、ミニシリーズ「The Sins」(00/ピート・ポスルスウェイト、ジェラルディン・ジェームズ共演)、TV映画「The Young Visiters」(03/ジム・ブロードベント、ヒュー・ローリー共演)など。
2002年の短編映画『Rank』では英アカデミー賞にノミネートされた。
デイビッド・ヘイマン (製作)
「ハリー・ポッター」シリーズ全作で製作を担当。シリーズ最終章となる『ハリー・ポッターと死の秘宝』2部作が2010年、2011年に公開を控える。
学生時代をイギリスとアメリカで過ごし、ミロス・フォアマン監督『ラグタイム』(81)やデイビッド・リーン監督『インドへの道』(84)で制作アシスタントを務めて映画界入り。86年にロスへ出て、ワーナー・ブラザースのクリエイティブ・エグゼクティブとなり、『愛は霧のかなたに』(88)、『グッドフェローズ』(90)などに携わる。80年代後半にユナイテッド・アーチストの副社長に就任した。
独立後は『ジュース』(92/アーネスト・ディケンソン監督、故トゥーパック・シャクール、オマール・エップス共演)や低予算映画『デイトリッパー』(96・未/グレッグ・モットーラ監督、リーブ・シュライバー、パーカー・ポージー、ホープ・デイビス、スタンリー・タッキ、キャンベル・スコット共演)などをプロデュースした。
96年にイギリスへ帰国。欧米で築いたコネクションを生かしてヘイデイ・フィルムズを設立し、イギリス内外の映画、TV作品を放っている。03年には全米劇場主協会主催のショーウエスト大会で、イギリス人プロデューサーとして初めて年間プロデューサー賞を受賞した。
近年のおもな担当作に、フランシス・ローレンス監督のSFスリラー『アイ・アム・レジェンド』(01/ウィル・スミス主演)、マーク・ハーマン監督『縞模様のパジャマの少年』(08/デイビッド・シューリス、ベラ・ファーミガ共演)、ジム・キャリー主演のコメディ『イエスマン“YES”は人生のパスワード』(08)、ジョン・クローリー監督『Is There Anybody There?』(08・未/マイケル・ケイン主演)などがある。
デイビッド・バロン(製作)
『ハリー・ポッターと秘密の部屋』(02)と『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』(05)で製作総指揮を、『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』(07)で製作を務めた。シリーズ最終章となる『ハリー・ポッターと死の秘宝』2部作(10、11年公開予定)でも引き続き製作にあたる。
CM、TV、映画へと活躍の場を広げ、エンターテイメント界でのキャリアは25年あまりに及ぶ。プロデューサーのほか、ロケーション・マネージャー、助監督、制作マネージャー、制作監修などさまざまなポストを経験してきた。その間の担当作に、『フランス軍中尉の女』(81)、『キリング・フィールド』(84)、『レボリューション・めぐり逢い』『レジェンド 光と闇の伝説』(共に85)、『プリンセス・ブライド・ストーリー』(87)、『The Lonely Passion of Judith Hearne』(87)、『ミディアン』(90)、『ハムレット』(90/フランコ・ゼフィレッリ監督)、『チャック・ノリスinヘルバウンド 地獄のヒーロー5』(93)などがある。
1991年、ジョージ・ルーカス企画によるTVシリーズ「インディ・ジョーンズ 若き日の大冒険」で製作総指揮にあたり、劇場映画『クリスマス・キャロル』(92)でライン・プロデューサーを務めた。93年にケネス・ブラナー監督『フランケンシュタイン』で製作補とユニット・プロダクション・マネージャーを兼任。以来、ブラナー作品では『世にも憂鬱なハムレットたち』(95)、『ハムレット』(96)、『恋の骨折り損』(99)を担当。ブラナーの主演作『オセロ』(95/オリバー・パーカー監督、ローレンス・フィッシュバーン共演)でも製作にあたった。
99年春に、イギリス人監督ポール・ウェイランドと共同でコンテイジャス・フィルムズを設立。近年、二番目の制作会社ランナウェイ・フリッジ・フィルムズを立ち上げた。
スティーブ・クローブス(脚本)
「ハリー・ポッター」シリーズでは本作のほか、第1〜4作目を担当。そのうち『ハリー・ポッターと賢者の石』(01)と『ハリー・ポッターと秘密の部屋』(02)で英アカデミー児童映画賞にノミネートされた。シリーズ最終章の『ハリー・ポッターと死の秘宝』2部作(10、11年公開予定)でも脚本にあたる。
リチャード・ベンジャミン監督の第二次大戦記『月を追いかけて』(84・未/ショーン・ペン、エリザベス・マクガバン、ニコラス・ケイジ共演)で映画脚本家としてデビュー。カーティス・ハンソン監督の秀作『ワンダー・ボーイズ』(00/マイケル・ダグラス、トビー・マクガイア、フランシス・マクドーマンド共演)で英米アカデミー賞<訳注:丸文字のR入る>、米映画脚本家協会賞にノミネートされ、全米映画批評家協会賞を受賞した。
監督としては、ジェフ・ブリッジス、ボー・ブリッジス、ミシェル・ファイファー共演『恋のゆくえ/ファビュラス・ベイカー・ボーイズ』(89)で脚本を兼任してデビューし、オスカー<訳注:Rの丸文字入る>4部門で候補にあがる。クローブス自身は英フィルム・インスティテュート賞と米映画脚本家協会賞にノミネートされ、主演のミシェル・ファイファーはオスカー<訳注:Rの丸文字入る>、英アカデミー賞、ゴールデングローブ賞にノミネートされた。続くサイコスリラー『フレッシュ・アンド・ボーン/渇いた愛のゆくえ』(93・未/デニス・クエイド、メグ・ライアン、グウィネス・パルトロウ共演)でも脚本と監督を兼任した。
ライオネル・ウィグラム(製作総指揮)
『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』(07)に続いて製作総指揮にあたる。
オックスフォード大学に在学中、オックスフォード映画基金を設立し、夏休みを利用して映画プロデューサーのエリオット・カストナーのもとで制作アシスタントを務める。卒業後はカストナーを訪ねてカリフォルニアへ渡り、『ハートにびんびん火をつけて』(88・未)でプロデューサーとしてデビュー。その後、ウディ・ハレルソン主演『恋人たちのキャンパス』(88・未)やケリー・リンチ主演『夏の雨は欲望の香り』(89・未)などを製作するかたわら、のちに『カリートの道』(93)となる脚本を練り上げた。
1990年にアライブ・フィルムズに入社し、ウェス・クレイブンやサム・シェパードの監督作で企画を担当。また、『クール・アズ・アイス』(91)で製作を、『蒼い記憶』(95/スティーブン・ソダーバーグ監督)で製作総指揮を務めた。
93年にはアライブ・フィルムズのシェップ・ゴードンと共に全米の有名シェフのマネジメント会社アライブ・カルナリー・リソーシズを設立。所属シェフのエメリル・ラガッセらが出演する料理のビデオシリーズ(タイム・ライフ販売)を制作した。
94年、監督のレニー・ハーリンと女優のジーナ・デイビスが運営する制作会社フォージに移籍し、企画を担当。米HBO放送のTV映画「ミストラルの娘」(84・未)、劇場映画『カットスロート・アイランド』(95)や『ロング・キス・グッドナイト』(96)などを放つ。
96年からワーナー・ブラザース映画の製作部副部長に就任。在任中は「ハリー・ポッター」シリーズの権利獲得に尽力したほか、『アベンジャーズ』(98)、『スリー・キングス』(99)、『シザーズ・カップ』(99・未)、『シャーロット・グレイ』(01)、『さらば、ベルリン』(06)などを世に送り出した。
06年1月に独立。ワーナー・ブラザース映画とプロデュース契約を結び、「ハリー・ポッター」シリーズに加え、『奇跡のシンフォニー』(07)でも製作総指揮を担当した。本作に続いては、ロバート・ダウニーJr.が名探偵ホームズを演じる『シャーロック・ホームズ(仮題)』(09/ガイ・リッチー監督)で製作とストーリー原案を担当し、児童書「ガフールの勇者たち」の映画版(10/ザック・スナイダー監督)で製作総指揮にあたる予定だ。
ジョン・トレイ (共同製作)
「ハリー・ポッター」シリーズ全作で資金面の管理を担当。さらに『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』(05)で製作補を、『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』(07)で共同製作を兼任した。
イギリス映画界でもっとも信頼の厚い資金管理のエキスパート。そのキャリアは30年あまりに及び、『遠い夜明け』(87)や『愛は霧のかなたに』(88)などの映画作品に参加。経理として携わった作品には『ライアンの娘』(70)、『バリー・リンドン』(75)、『エレファント・マン』(80)、『スーパーマンV 電子の要塞』(83)、『シティ・オブ・ジョイ』(92)、『アイズ ワイド シャット』(99)などがある。
ブリュノ・デルボネル(撮影)
ジャン=ピエール・ジュネ監督の『アメリ』(01)と『ロング・エンゲージメント』(04)で米アカデミー賞<訳注:丸文字のR入る>候補となる。前者では英アカデミー賞、米撮影監督協会賞にもノミネートされ、ヨーロッパ映画賞を受賞。後者では仏セザール賞と米撮影監督協会賞に輝いた。本作に続いては、ロシアの名匠アレクサンドル・ソクーロフ監督の最新作『Faust』をロシアのセント・ピーターズバーグで撮影する予定だ。
ほかの担当作に、ピーター・ボグダノビッチ監督『ブロンドと柩の謎』(01)、トルーマン・カポーティの生涯を描いたダグラス・マクグラス監督『Infamous』(06)、オムニバス作品『パリ、ジュテーム』(06)の一篇「チュイルリー」、ジュリー・テイモア監督のミュージカル『アクロス・ザ・ユニバース』(07)など。フランス映画では『Tout Le Monde N'a Pas Eu La Chance D'Avoir Des Parents Communistes』(93)、『C'est Jamais Loin』(96)、『Marie, Nonna, La Vierge et Moi』(00)などを手がけた。
CM作品を数多く手がけ、2005年に米PBS放送のスポットCMで米CM制作者協会賞を受賞した。
スチュアート・クレイグ(美術)
映画界を代表する美術デザイナーのひとりで、「ハリー・ポッター」シリーズ全作を担当。そのすべてにおいて英アカデミー賞にノミネートされ、そのうち『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』(05)で同賞を受賞。『ハリー・ポッターと賢者の石』(01)と『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』(05)でオスカー<訳注:丸文字のR入る>候補にあがった。シリーズ最終章の『ハリー・ポッターと死の秘宝』2部作(10、11年公開予定)も担当する予定だ。
リチャード・アッテンボロー監督作の常連スタッフでもあり、『遠すぎた橋』(77)でアート・ディレクターを務めて以来、『ガンジー』(82)、『遠い夜明け』(87)、『チャーリー』(92)、『永遠(とわ)の愛に生きて』(93)、『ラブ・アンド・ウォー』(96)で美術を担当。『ガンジー』で米アカデミー賞<訳注:丸文字のR入る>を受賞し、『チャーリー』で同賞にノミネートされた。
さらにヒュー・ハドソン監督『グレイストーク―類人猿の王者―ターザンの伝説』(83)で英アカデミー賞にノミネートされ、スティーブン・フリアーズ監督『危険な関係』(88)とアンソニー・ミンゲラ監督『イングリッシュ・ペイシェント』(96)で米アカデミー賞<訳注:丸文字のR入る>に輝き、後者では米美術監督協会賞も受賞。デイビッド・リンチ監督『エレファント・マン』(80)とローランド・ジョフィ監督『ミッション』(86)では米アカデミー賞<訳注:丸文字のR入る>にノミネートされ、前者で英アカデミー賞を受賞した。
ほかの担当作に、『キャル』(84)、『メンフィス・ベル』(90)、『秘密の花園』(93/アグニエシュカ・ホランド監督)、『ジキル&ハイド』(96/スティーブン・フリアーズ監督)、『アベンジャーズ』(98)、『ノッティングヒルの恋人』(99/ロジャー・ミッシェル監督)、『バガー・ヴァンスの伝説』(00/ロバート・レッドフォード監督)など。リチャード・ドナー監督『スーパーマン』(78)ではアート・ディレクターを務めた。
マーク・デイ(編集)
『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』(07)に続いて編集を手がける。シリーズ最終章の『ハリー・ポッターと死の秘宝』2部作(10、11年公開予定)も引き続き担当。
このほかデイビッド・イェーツ監督作ではミニシリーズ「The Sins」(00)、短編映画『Rank』(02)に加え、ミニシリーズ「The Way We Live Now」(01)で英アカデミーTV賞と王立TV協会賞にノミネートされた。同じくミニシリーズ「ステイト・オブ・プレイ 陰謀の構図」(03・未)で英アカデミーTV賞を受賞し、王立TV協会賞にノミネートされ、TV映画「セックス・トラフィック」(04・未)では両賞を受賞した。同じくイェーツ監督のTV映画「ある日、ダウニング街で」(05・未)でエミー賞候補にあがった。
イェーツ以外の監督とは、劇場作品『Mystics』(02)とTVシリーズ「SNUFF スナッフ」「Donovan Quick」(共に99・未)、「Anna Karenina」(00)でデイビッド・ブレア監督と、TV映画「The Fix」(97)と劇場作品『ヴァージン・フライト』(98)でポール・グリーングラス監督と、TV映画の「A Question of Attribution」(92)と「Cold Comfort Farm」(95)と「スウィーニー・トッド」(97・未)でジョン・シュレシンジャー監督と組んだ。また、ジャック・クレイトン監督「Memento Mori」(92)で英アカデミーTV賞にノミネートされたほか、リチャード・エア監督「Suddenly Last Summer」(93)、ポール・シード監督「コナン・ドイルの事件簿 ドクター・ベルの推理教室」(00・未)、ジュリアン・ファリノ監督「Flesh and Blood」(02)などのTV作品を担当した。
ニコラス・フーパー(音楽)
『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』(07)をはじめ、デイビッド・イェーツ作品の常連スタッフ。イェーツ監督のTV映画「The Young Visiters」(03)で英アカデミーTV賞に輝き、「The Way We Live Now」(01)、「ステイト・オブ・プレイ 陰謀の構図」(03・未)、「ある日、ダウニング街で」(05・未)で同賞にノミネートされた。また、長編映画『The Tichborne Claimant』(98)や短編映画の『Good Looks』(92)と『Punch』(96)でもイェーツに曲を提供している。
ほかの担当作に、ヘレナ・ボナム=カーター主演『The Heart of Me』(02)、新作『Big Cats!』などがある。TV映画では「Messiah: The Promise」(04)、「My Family and Other Animals」「Bloodlines」(共に05)、「The Best Man」「The Chatterley Affair」(共に06)、米HBO放送「Einstein and Eddington」(08/フィリップ・マーティン監督)、英BBC放送「Enid Blyton」(09/ジェイムズ・ハウズ脚本&監督、ヘレナ・ボナム=カーター主演)など。2007年にはフィリップ・マーティン監督、ヘレン・ミレン主演のTV映画「Prime Suspect―The Final Act」(06)で英アカデミーTV賞を再度受賞した。
ドキュメンタリー作品では、『Land of the Tiger』(85)、ナショナル・ジオグラフィックス提供のTVシリーズ「Nature」(02〜05)などを手がけた。
ジャニー・ティマイム(衣装)
過去に『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』(04)、『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』(05)、『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』(07)を担当。『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』で米衣装デザイナー協会賞のファンタジー映画部門にノミネートされた。シリーズ最終章となる『ハリー・ポッターと死の秘宝』2部作(10、11年公開予定)でも衣装を手がける。
マーク・エバンス監督『House of America』(97)で英アカデミー賞を受賞し、メル・スミス監督、ミニー・ドライバー主演『High Heels and Low Lifes』(01)で英インディペンデント映画賞の候補となる。オスカー<訳注:丸文字のR入る>外国語映画賞の受賞作『アントニア』(95/マルレーン・ゴリス監督)で、1995年ユトレヒト国際映画祭ゴールデン・カーフ賞を獲得した。
ほかの担当作に、ベルナー・ヘルツォーク監督『神に選ばれし無敵の男』(01/ティム・ロス主演)、ビーバン・キドロン監督『ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12か月』(04/レニー・ゼルウィガー主演)、アグニエシュカ・ホランド監督『敬愛なるベートーヴェン』(06/エド・ハリス主演)、アルフォンソ・キュアロン監督『トゥモロー・ワールド』(06/クライブ・オーウェン主演)、マーティン・マクドナー監督『In Bruges』(08/レイフ・ファインズ、コリン・ファレル共演)、ブライアン・エプスタイン監督『The Fifth Beatle』(09)など。
また、イギリス以外の国々の映画、TV作品を40本あまり担当している。そのおもなものに、オスカー<訳注:丸文字のR入る>外国語映画賞に輝いた『キャラクター 孤独な人の肖像』(96/マイク・ファン・ディム監督)、エイト・デ・ジョン監督『All Men Are Mortal』、フランス・バイス監督『The Last Call』(共に95)、ジョルジュ・シュルイツァー監督の『クライムタイム』(96)と『The Commissioner』(98)、ダニー・デプレ監督『The Ball』(99)、マルレーン・ゴリス監督『愛のエチュード』、ポール・マクギガン監督『ギャングスター・ナンバー1』(共に00)、エド・トーマス監督『Rancid Aluminum』(00)、トッド・コマーニキ監督『Resistance』(03)がある。
ティム・バーク(視覚効果監修)
この道20年の大ベテラン。本シリーズでは過去に『ハリー・ポッターと秘密の部屋』(02)、『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』(04)、『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』(05)、『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』(07)を担当し、『アズカバンの囚人』で英米アカデミー賞<訳注:丸文字のR入る>にノミネートされ、米視覚効果協会賞の特別視覚効果賞を受賞。『不死鳥の騎士団』でも英アカデミー賞にノミネートされた。シリーズ最終章となる『ハリー・ポッターと死の秘宝』2部作(10、11年公開予定)でも引き続き視覚効果監修にあたる。
ほかの担当作に、TV映画「The Mill on the Floss」(97)とミニシリーズ「エクスカリバー 聖剣伝説」(98・未)、『ベイブ 都会へ行く』『スティル・クレイジー』(共に98)、『ROCK YOU! 〔ロック・ユー!〕』(01)、デジタル効果監修を務めた『エネミー・オブ・アメリカ』(98)など。リドリー・スコット監督作では『ブラックホーク・ダウン』『ハンニバル』(共に01)ほか、歴史大作『グラディエーター』(00)で米アカデミー賞<訳注:丸文字のR入る>を受賞し、英アカデミー賞にノミネートされた。
TVやCMの世界でも10年あまりのキャリアがあり、米クリエイティブ・サークル賞や英D&AD賞を獲得している。
ニック・ダドマン(特殊メイク & クリーチャー・デザイン)
シリーズを通して特殊メイクとアニマトロニクス(動物や架空生物などのロボット)を担当し、1〜4作で英アカデミー賞にノミネートされた。シリーズ最終章の『ハリー・ポッターと死の秘宝』2部作(10、11年公開予定)でも特殊メイクを手がける。
イギリス映画界を代表するメイクアップ・アーチストのスチュアート・フリーボーンのもと、『スターウォーズ 帝国の逆襲』(80)でヨーダのメイクを手がけて映画界入り。フリーボーンに4年間師事した後、リドリー・スコット監督『レジェンド 光と闇の伝説』(85)で特殊メイク研究チームを率いる。続く、『モナリザ』『ラビリンス/魔王の迷宮』(共に86)、『ウィロー』(88)、『インディ・ジョーンズ 最後の聖戦』『バットマン』(共に89)、『エイリアン3』(92)、『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』(94)などで特殊メイクを担当した。リュック・ベッソン監督『フィフス・エレメント』(95)ではアニマトロニクスや大型クリーチャーの分野にも進出し、55名のクリーチャー班を率いて英アカデミー賞の視覚効果賞を受賞。それ以来、『スター・ウォーズ エピソード1 ファントム・メナス』(99)や「ハムナプトラ」1、2作(99、01)といった大作映画で特殊メイク/クリーチャーを担当。『バットマン ビギンズ』(05)では特殊メイクと衣装のコンサルタントを、アルフォンソ・キュアロン監督『トゥモロー・ワールド』(06)とピーター・ハウイット監督『Dangerous Parking』(07)でアニマトロニクスを手がけた。2007年に、『ベオウルフ』(05)の特殊メイクが評価され、加ジェニー賞の特別功労賞を受賞。
映画界で活躍するかたわら、自身が経営する会社ピッグス・マイト・フライを通して“きれいにふき取れる”血のりを製造販売している。
|