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あなたのハリポタ原書はいくら？～初版本の見分け方

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ハリー・ポッターシリーズの初版本が、しばしばオークションに出品されますが、どのような本に高値がつくのでしょうか？（以下2002年に掲載したニュースを、まとめ直してみました。価格は07年6/7のレートで再計算済）

【更新】『賢者の石』裏表紙の秘密（2021/9/15）NEW!

高値で取引される条件（ハリー・ポッターの原書の場合)

初版本(ただし英国版で、印刷部数の少ない巻)

希少な装丁本

状態のいいもの

J.K.ローリングさんのサイン入り

ミスプリント　

初版本の見分け方(Bloomsburyの場合)

ハリー・ポッター１～３巻
ISBNや著作権が表示されているページ（前から４ページ目ぐらい。献辞の前ページ)の下に、右から左に連続した番号が書かれています（www.bloomsbury.com/harrypotterの上）。その１番右側の数字が、その本の版。　初版本には　 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1　と印刷されています。(2版は、10 9 8 7 6 5 4 3 2となります)

４巻以降
「炎のゴブレット」以降の初版本には、上記のページの一番下（www.bloomsbury.com/harrypotterの上）に、数字ではなくＦｉｒｓｔ　Ｅｄｉｔｉｏｎと記載。

ハリー・ポッターの装丁４種

ハードカバー（ラミネート加工のボール紙表紙に絵が描かれた本）
「ハリー・ポッター賢者の石」の場合は500部しか印刷されてないので、とても貴重。　
写真

上装クロス装（布表紙製本）
表紙にJ.K.ローリングのサインが金色で入っています。BBCによると、「賢者の石」の初版部数は1,000部のみ。
クロス装１～６巻写真

革製デラックス版
上装クロス装と同じデザインで、革製。豪華。
革製１～６巻写真｜革製「賢者の石」表紙写真｜革製「賢者の石」裏表紙写真

ペーパーバック
何百万部も印刷されているので、価値は低くなります。

初版本が印刷された部数と、大体の価値(特に注釈がない場合は2002年の取引価格)
１巻ハリー・ポッターと賢者の石
ハードカバーの初版は500部。
サインなしが£3,000～4,000(約72～96万円)。サインつきは£8,000～10,000(約192～240万円)
※2007年6月のオークション予想落札価格は、サインなしで最高で7,000ポンド(約170万円)。
J.K.ローリングさんのサインの写真｜サイン写真２

２巻ハリー・ポッターと秘密の部屋
初版は10,150部
サインなしが£400～600(約9.6～14.4万円)。　サインありは£1,500(約36万円)。

３巻ハリー・ポッターとアズカバンの囚人
初版10,000部。
印刷ミスがあるものだと£1,000(約24万円)、サイン付きは£2,000～3,000(約48～72万円)
印刷ミスの写真

４巻ハリー・ポッターと炎のゴブレット
100万部も印刷されたので、初版本でもあまり価値はありません。
ただし、ローリングさんが2000年の父の日に、実父ピーターさんに贈ったイラストとコメント（"lots of love from your first born"）入りの本は、£27,500(約661万円)で落札されました。写真

５巻ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団～7巻ハリー・ポッターと死の秘宝
5巻の初版は680万部、最終７巻に至っては1200万部も印刷されたため、こちらも初版本であっても価値はありません。

デラックス版
１巻～４巻揃ったデラックス版の初版本の値段は£1,000(約24万円)、サイン付きは£2,000～3,000(約48～72万円)

希少本
Uncorrected Proof(書評用に配られる見本刷り/見本刷り）
数が少ないので貴重。著者の名前がJ.A.Rowlingとミスプリントされた、『ハリー・ポッターと賢者の石』の初期の見本刷りは、2004年に£1250（約30万円）で落札されました。
見本刷り写真(著者のスペルは修正)

どこで売れる？
もしあなたが上記の希少（貴重）本をお持ちで、売却を考えている場合は、競売会社のサザビーズやクリスティーズ、ボナムズへどうぞ。スペシャリストが見積もりを出し、売るべきか持っているべきかをアドバイスしてくれます。

「賢者の石」の変なおじさん(笑)
なお、英国版「ハリー・ポッターと賢者の石」の裏表紙のイラストは２種類あり、初期の版には登場人物と関係のない「変なおじさん」が描かれていましたが、その後ダンブルドア校長の絵に変わりました。

イラストを手掛けたトーマス・テイラーさんによると、この魔法使いは実はテイラーさんの父親。ハリポタがベストセラーになり裏表紙がダンブルドアと似ていないとの問い合わせが殺到したため、ブルームズベリー社の依頼でダンブルドアに差し替えられたそう(笑)。

トーマスさんは自身のサイトで「（ブルームズベリー社の）バリー・カニンガムの依頼で、J・K・ローリングという無名の作家のデビュー作の表紙絵を制作したときのことです（本はちゃんと読みましたよ）。裏表紙を飾る魔法使いも依頼されたので描きました。『ハリー・ポッター』には魔法使いがたくさん出てくるので、オリジナルの魔法使いを描くのは難しくないですし、その時ダンブルドアを描こうとは思いませんでした」。

「そして本の出版後、出版社は（裏表紙の魔法使いをダンブルドアだと勘違いした読者から）『なぜ似ていないのか』と質問攻めに遭いました。読者が何を求め、何を期待しているかは明らかだったので、ブルームズベリー社は私にダンブルドアの絵を描いてほしいと依頼してきました。そしてオリジナルの魔法使いは、煙のように消えてしまいました」。

「最初の魔法使いは、特にハリポタの誰でもなかった。ただし……実はそうなんです。あのモデルは他でもない、私自身の素晴らしい父親だったのです。そう、ちょっと風変わりな、刺繍入りのキャップをかぶった父が、ハリー・ポッターの裏表紙に描かれている魔法使いなのです」と明かしています(笑)。