カドガン卿
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ふん、拙者はじいさんなどではない! れっきとしたサーの肩書きを持つ騎士じゃ! 近頃の若いもんときたらまったく、ブツブツ..
(気を取り直して)今日のテーマは「語呂合わせ」か。1回目から随分と地味なテーマじゃの。まあよい、ゴホン、確かに「ハリー・ポッター」には沢山の語呂合わせが出てくる。
例えば、おぬしの好きなマンガ本、"The Adventure of Martin Miggs, the Mad Muggle(イカれたマグル、マーチンミグスの大冒険)"もMで始まる語呂合わせじゃな。こういう語呂合わせは、元はと言えば、詩の韻律からきておっての。詩の世界では、3種類の韻律があるのじゃ。
1.頭韻(Alliteration):語頭で韻を踏んでいるもの。
例 by Choice of Chance など
2.脚韻(Rhyme):語尾で韻を踏んでいるもの。
例 sale と mail など
3.半諧音(Assonance):アクセントのある母音だけの押韻。
例 brave と vain 、 love と shutなど ...じゃ。
ちなみに頭韻は口調が良いのでスローガンに好まれておる。第二次世界大戦中のイギリスのビールの宣伝文句"We Want Watney"などが最たるものじゃ。
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ロン |
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詩の世界なんてどうでも良いからさ、それより「ハリポタ」には他にも沢山の語呂合わせが出てくるでしょ。それを紹介してよ。
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カドガン卿
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むむ.. せっかちな子供じゃな。あい分かった。
例えば3巻の7章でピーブスがルーピン教授をからかって"Loony, Loopy, Lupin(直訳すると「バカで狂ったルーピン」以下同)"と言っておったな。同巻15章では"Fowl or Foul(鳥か盗りか←松岡氏の訳。言葉のニュアンスが良く伝わっておる。直訳すると「鳥かファウルか」という意味じゃ)"という本が出てくる。それからピーブスの奴め、2巻11章では"Oh Potter, you rotter (「あ〜ポッター、嫌われ者〜」)"とか"Why it's potty, wee Potter!(「おや、おバカさん〜、チビのポッタ〜」)"と冷やかしておるぞ。
こういう語呂合わせを楽しむのも、原書ならではの醍醐味かも知れんのう。訳者は苦労するがな。しかしこうやってみると、ピーブスめも、人をこき下ろす事にかけては、仲々の詩人じゃわい。
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カドガン卿
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口の減らないガキ、い、いや、少年じゃな。今日はここまでじゃ。
高貴な魂、強靭な肉体を欲する時あらば、カドガン卿を呼ぶがよい!
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