「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」は当初、スティーブン・スピルバーグが監督するのではないかと噂された。[7/2/2002]
クリス・コロンバスはハリー・ポッター3作目の監督を辞退したが、理由は「家族と過ごす時間がもっと欲しい」から。だが「4作目の監督を受ける用意はある」と語っている(その後4作目の監督はマイク・ニューウェルに決定した)。[11/16/2003・7/2/2002]
監督候補として挙がっていたのは、アルフォンソ・キュアロン(「天国の口、終わりの楽園。」 )、キャリー・クーリ(「ディバイン・シークレット・オブ・ヤーヤー・シスターフッド」 )とケネス・ブラナー 。
結局キュアロンがメガホンをとった。[11/16/2003・7/2/2002]
この作品はハリー・ポッター・シリーズ5作品の中で、ヴォルデモートの名前は出てくるが姿は登場しない唯一の物語。[7/2/2002]
2003年2月、スコットランド西部フォートウィリアムで撮影中に、ホグワーツ特急が火元とみられる原野火災が発生し、近所の住民が一時避難する騒ぎがあった。
近くの渓谷にかかる高架橋付近の原野40ヘクタール余りを焼き、翌日に鎮火した。俳優やエキストラの地元小学生40人らに負傷者はなかったが、火元は蒸気機関車から飛び散った火花だった。[11/16/2003]
チョウ・チャン役にBoAなどの噂が出たが、結局3作目に登場しないことになった。また、ショーン・ビガースタッフ(オリバー・ウッド役)も登場せずファンをガッカリさせた。[11/16/2003]
半鳥半馬の動物ヒッポグリフは、当時の映画史上最も高額なアニマトロニクスとなった(製作費用は100万ドル<約1億800万円:1ドル108円で計算> )。[11/16/2003]
ハグリッドの代役は元ラグビー選手のマーティン・ベイフィールド(Martin Bayfield)氏が務めた。またキックボクシング元チャンピオンのスペンサー・ワイルディングが、ルーピン先生が変身するオオカミを演じた。[11/16/2003]
イギリスのブレア元首相の長男ユアン・ブレア(当時19歳でブリストル大在学)が夏休みの間、「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」の雑用係をした。彼の仕事はキャストやクルーの昼食のオーダー取りや電話のメッセージの伝達といった使い走りだった。[11/16/2003]
ハグリッドの小屋はスコットランド・グレンコーの国道沿いに建てられたため、観光バスなどでファンがひっきりなしに訪れた。このセットはリーブスデン・スタジオの作業員が数ヶ月がかりで建設したものだが、プラスチック製のかぼちゃや石膏で出来た石などが盗まれ、その後セキュリティが強化された。[11/16/2003]
スコットランドの幾つかの高校からエキストラの学生が雇われ、出演料として1日あたり35ポンド(約1万円)が支給された。しかし授業のある平日にも撮影に参加していたため、規則の厳しい学校は学生からその出演料を没収していた。運の悪いその14人の生徒は、週末の出演料しか自分たちのものにすることができなかった。しかし、学校によっては生徒が出演料を受け取ることを許している所もあり、父兄から反発が出た。[11/16/2003]
雨の日のクィディッチのシーンでは、選手たちはローブの下に防寒スーツを着用した。[11/16/2003]
3作目のマルフォイ役のトム・フェルトンの髪型は、1・2作目と違いジェルでオールバックに固められていない。[11/16/2003]
リチャード・ハリスの逝去後、ダンブルドア役の後継者にクリストファー・リー、イアン・マッケランなどの名前が挙がったが、結局マイケル・ガンボンに決定した。(イアン・マッケランがダンブルドアを断った理由 )[11/22/2003]
視覚効果チームは6ヶ月かけて、アズカバンの看守・ディメンター(吸魂鬼)を作り上げた。[11/22/2003]
「闇の魔術に対する防衛術」教師リーマス・ルーピン役の候補に挙がった俳優は、クリスチャン・ベール、ユアン・マクレガー、コリン・ファース、ロナン・ヴィバート、ショーン・ビーン。[11/22/2003]
シリウス・ブラック役には、ジュード・ロウ、ジェフ・ホードリー、ロブソン・グリーン、ヴィゴ・モーテンセン、ジョセフ・ファインズの名が挙がった。[11/22/2003]
美術班は、映画を暗く無気味な雰囲気にするために苦労した。ホグズミード村がチョコレート箱のように可愛らしく見えないよう、美術のスチュアート・クレイグは村のメインストリートをまがまがしくくねらせた。[11/22/2003]
ハニーデュークスの店内は床から天井まで、砂糖でできたメキシコのドクロなどのサイケデリックな品々で埋め尽くされている。キャストたちはハニーデュークスのお菓子にニスが塗ってあると聞かされていたが、それは撮影の合間に食べられないようにするための真っ赤な嘘だった。[11/22/2003]
マジシャンのポール・キエーブ が、PoAの魔法効果を担当。ダニエル・ラドクリフやエマ・ワトソンらキャストにマジックのレッスンをした。居酒屋「三本の箒」のシーンでは、カメオ出演もしている。[7/5/2004]
ホグワーツ特急に用いた列車が落書き されたため、撮影は一時中断された。[7/5/2004]
ハニーデュークスのセットは、「賢者の石」でオリバンダー杖店、「秘密の部屋」の映画ではフローリシュ・アンド・ブロッツ書店として使われたもの。[7/5/2004]
ルーピン役を演じたデビッド・シューリスは、映画1作目でクィレル教授の候補にあがっていた。[7/5/2004]
ギレルモ・デル・トロに「アズカバンの囚人」の監督をしないかとオファーが来たが、彼は(PoAの代わりに)「ヘルボーイ 」を選んだ。[7/5/2004]
エマ・トンプソンは、(ハリポタ好きの)4歳になる長女のガイアちゃんを感心させるために、トレローニー教授役を引き受けた。[7/5/2004]
ゲイリー・オールドマンいわく、シリウス・ブラック役を引き受けたのは「仕事が欲しかったから」。オールドマンの最後の出演作は2002年に撮影した「SIN/凶気の果て」で、その後1年以上仕事をしていなかった。
というのも当時離婚し2児の親権を持つシングルファーザーだった彼は、多くの映画のロケ地が「税金上の理由」でハンガリーやオーストリアなど英国外に変わってしまい、子供たちと一緒にいるために「それらの仕事を断っていた」から。
『ハリー・ポッター』と『バットマン』の映画は、「私を経済的に救ってくれた。なぜなら最大限のギャラで最小限の仕事をして、子供たちのいる家に帰れたから。ハリー・ポッター(に出してくれたことを)神に感謝している」とコメント している。 [7/8/2004、3/21/2024]
キュアロン監督の契約書には、子供たちの前で汚い言葉を使うことを禁じる項目があった。[7/8/2004]
キュアロン監督はダニエル・ラドクリフの演技指導をしたが、「すごい!」とハリーが感心する場面で、監督は「バタフライ(ヌードダンサーが下半身につける三角布)姿のキャメロン・ディアスを見ているつもりになってごらん」と助言し、うまくいった。[7/8/2004]
カメオ出演 :英ロックバンド「ストーンローゼズ」のイアン・ブラウンが、映画冒頭の「漏れ鍋」のシーンで、「A Brief History of Time」を読んでいる客(魔法使い)としてカメオ出演 している。
イアン・ブラウンはキュアロン監督の友人で、最初は居酒屋の亭主役をもらったが、特殊メイクをするのがいやで断った。[7/8/2004]
忍びの地図が初めて登場するシーンでは、ニュート・スキャマンダーの名前が地図上で見られる。 しかし彼は『幻の動物とその生息地』の著者であって、ホグワーツの教師ではない。(ニュート・スキャマンダーの映像はこちら )[7/8/2004]
アルフォンソ・キュアロンは4作目の監督も依頼されたが、PoAのポストプロダクションと重なるからという理由で断った。代わりに監督に選ばれたのはマイク・ニューウェル。[7/14/2004]
映画がイギリスで(2004年)5/31に公開されるや503万ポンドの興行成績を上げ、当時のイギリスでの初日の興収としては最高記録となった。[7/14/2004]
ワーナー・ブラザーズは映画の海賊版対策として、映画館の案内係に暗視ゴーグルを配って(劇場内を)監視させた。
[7/14/2004]
ホグワーツの中庭の噴水には、ワシがヘビを食べている像が幾つか置かれているが、これはメキシコ人のキュアロン監督への記念碑。これと同じ絵柄がメキシコの国旗 にも描かれている。(注:IMDbにはホグズミードとありますが、ホグワーツの間違いと思われます。)[7/14/2004]
ダニエル・ラドクリフの音楽好きを知り、ゲイリー・オールドマンは彼に最初に会ったときにベースギターをプレゼントした。IMDb[7/16/2004]
さらにゲイリーは、ダンの14歳の誕生日に、ビートルズの「カム・トゥゲザー」のベースラインを教えたという。NYPost
ハリーが双子から「忍びの地図」をもらうシーンで、作者の1人ムーニー"Moony"のスペルが、"Mooney"となっている。しかしこれは間違いではなく、というのも映画の視覚効果監督の名はカール・ムーニー(Karl Mooney)と言い、仲間内のジョークとしてわざとMooneyにしていたから。[7/16/2004]
大広間で聖歌隊が歌う「Double,Double・・」の歌の歌詞は、『マクベス』第四幕第1場の魔女のセリフからの引用。
シェークスピアはこのセリフを本物の魔女から"拝借"し、そのため芝居は魔女の呪いをかけられてしまったという言い伝えがある。演劇界で「マクベス」は不吉な劇とされ、劇場内で「マクベス」と言うのは縁起が悪いという迷信があるのは、そのせいである。(役者は「マクベス」の代わりに「スコットランドの芝居」などの言い方をする)[7/16/2004]
監督カメオ出演1 :ハリーがピーター・ペティグリューを探しに歩くシーンで、明かりがまぶしいと彼に文句を言う肖像画の中の若い魔法使いは、キュアロン監督。 [7/18/2004]
ハリーがルーピン先生からディメンター防衛術を教わる部屋は、「秘密の部屋」でダンブルドア校長のセットだった。 [7/18/2004]
監督カメオ出演2 :ハリーが「三本の箒」の中に入るシーンで、2本の火のともったロウソクを持って座っている魔法使いは、キュアロン監督。 [7/18/2004]
キュアロンに監督の依頼が来たとき、彼はハリー・ポッターの原作・映画とも見た(読んだ)ことがなかった。 [7/18/2004]
ポール・ホワイトハウスが演じたカドガン卿の(セリフを話す)シーンは、映画からカットされてしまった。彼は2004年6月、手紙で自分にサインを求めてきた人に「残念ながら、私は無情にもハリー・ポッターからカットされてしまいました」との返事を書いたという。 [7/18/2004]
ルーピン先生がボガートの授業の時に蓄音機でかけた音楽は、「1941」という映画のサウンドトラックに収録されている"Swing, Swing, Swing" という曲。作曲はもちろんジョン・ウィリアムズ。〜Thanks to ちぅいちさん! [posted at JST 1/12/2005]
トレローニー先生の部屋には魔法のように山積みになったティーカップが1100個もある 。[posted at JST 1/12/2005]
ルパート・グリントはハニーデュークスに入りびたり だった。彼に言わせると「ガイコツの形をしたゼリーと、頭骸骨の形をしたゼリーが最高」とか。[posted at JST 1/12/2005]
(ハニーデュークスのお菓子の数が多いので)お菓子を包むことを専属に行うチーム がいた。[posted at JST 1/12/2005]
キュアロン監督はトリオの違いを出すため、制服を自分の好きなように着るよう子供たちに指示した。ロン役のルパート・グリントは、シャツのすそを半分出し一番上のボタンは外してだらしない感じに、
ハリー役のダニエル・ラドクリフは、ルパートよりはちゃんと着こなした。
しかしエマ・ワトソンだけは、優等生ハーマイオニーの役なので、全てきちんと完璧に着こなした。[posted at JST 1/15/2005]
ホグズミードのお菓子店「ハニーデュークス」には、骸骨の形をした砂糖菓子が置かれている。これはキュアロン監督の故郷メキシコで、「死者の日」(お盆)に飾られるガイコツ型のお菓子を模したもの。[posted at JST 1/15/2005]
監督はトリオから意見を聞こうと、撮影前にレポート(エッセイ)を提出させた。エマはハーマイオニーらしく65ページも書き上げ、ダニエルも2〜3ページのものを提出した。 しかしルパート・グリントは書くのを忘れてしまい、監督から「書かなかったのはロンらしい」と言われて提出をまぬがれた。[posted at JST 1/15/2005]
吸魂鬼がホグワー
ツの湖に登場した際に赤い花を凍らせていく が、この花の名前は「ジギタリス」という。
「ジギタリス」はfoxglove(キツネノテブクロ/狐手袋)とも呼ばれ、古くからその葉を乾燥して細切りにしたものが強心薬として用いられた。英国では死者の魂が宿る草や妖精の草とみなされ、これを家や船に持ちこむことを嫌ったという。美しいが毒があるので、花言葉は「不誠実」。(解説は『平凡社世界大百科事典』より) 〜Thanks to ぺろりさん! [posted at JST 20:11/5/24/2005 ポッターマニア 無断転載禁止]
寝袋のシーンの撮影では、ダニエル・ラドクリフは本人のたっての希望で、当時好きだった女生徒の隣で寝られるようにしてもらった。
しかしアルフォンソ・キュアロン監督、マイケル・ガンボン(ダンブルドア)とアラン・リックマン(スネイプ)は、そんなダニエルの寝袋の中に、遠隔操作できるブーブークッションをこっそり設置。撮影中に大きなおならの音が鳴り、みんなに大笑いされた。
VIDEO
ハリー・ポッターの原作本を読むのは無駄だと考えたマイケル・ガンボンは、ダンブルドアを演じていた間、全く読まなかったという。(IMDb)
マイケル・ガンボンがリチャード・ハリスの役を引き継いだのは、本作が初めてではない。ハリスが1988年に映画『メグレ』で演じたメグレ警部を、1992年の同名のテレビシリーズで演じている。(IMDb)
3作目からフリットウィック先生の外見が変わった ことについて、同先生を演じたワーウィック・デイヴィスは次のように説明 している。
「『アズカバンの囚人』の脚本にフリットウィックは入ってなかったけど、僕を登場させたいと思ったプロデューサーが『聖歌隊の指揮者』として(外見を変えて)入れてくれたんだ。4作目の監督は、3作目の先生の外見が気に入って、以降、あの姿が引き継がれたんだよ」。
アルフォンソ・キュアロン監督にとって、デビッド・シューリスがルーピン役の第一希望だった。シューリスは、クィレルを演じたイアン・ハートから「ルーピン先生は本の中で最高の役」とアドバイスされ、この役を引き受けた。(IMDb)
ゲイリー・オールドマンは自身が演じたシリウス・ブラックについて、「彼は過去に取り憑かれた男。過去から脱却できないでいる。ハリーは彼の友人だったジェームズにそっくり。だからハリーと過ごすことでジェームズとの友情を確認し、ハリーにジェームズのようになって欲しいと思っている」と語っている。(Film Wizardry)
キュアロン監督は、ディメンターがホグワーツ特急に近づくと、雨が氷に変わるというアイデアを持っていた。しかし彼のひどいメキシコ訛りのせいで、スタッフは「ice(アイス)」を「eyes(アイズ)」と勘違いし、空から「目」が降っている絵コンテを提出し、監督を凍りつかせた(アイスだけに‥笑)。その絵コンテはもちろん、すぐに訂正された。(IMDb )
【ドラマイオニー】脚本では、ハーマイオニーはマルフォイを殴るのではなく、平手打ちすることになっていた。
しかしリハーサル中、ドラコ役トム・フェルトンはハーマイオニー役エマ・ワトソンに殴るよう提案。まさか本当に実行されるとは思っていなかったトムは、本番でエマから渾身のパンチを受け、仰天した。
エマはその後ひどく後悔し、「何を考えていたのか覚えてないの」と語っている。(IMDb )
ルーピンを演じたデビッド・シューリスは、自身の役について、「優しくて愛すべき"おじ"のように慈愛に溢れた人物」と描写。
ルーピンが経験した苦難が、彼を生徒に親身になれる面倒見のいい先生にしたと解釈している。
(Film Wizard )
キュアロン監督は『アズカバンの囚人』の打診をもらった当初、原作を読んでおらず、監督を引き受けるつもりはなかったという。
しかし、それを友人のギレルモ・デル・トロ監督に話したところ、「ハリポタが人気だからといって過小評価するのは間違いだ。君は傲慢なクソったれ。すぐ本屋に行きハリー・ポッターを読み、それから私に電話しろ」と叱責され、書店に直行。
最後まで読み終わらないうちに、このチャンスを逃すわけにはいかないと悟ったという。(情報源 )
ピーター・ペティグリューを演じたティモシー・スポールは、自身の役について、「抜け目がなく、卑屈で弱虫で悪賢く、大胆不敵で嘘つきの小男で、いつも自分だけ助かろうとしている。それを別にすれば、とても良いやつで、わりとハンサムだ」と語っている(笑)
(ハリー・ポッター映画大図鑑 )
本作には、ウィンストン・チャーチル英元首相を2回演じた俳優が2人出演している。ひとりはティモシー・スポールで、『英国王のスピーチ 』と『ジャックブーツ・オン・ホワイトホール(原題)』で元首相を演じた。
もうひとりはファッジ役のロバート・ハーディで、TV映画『Bomber Harris』や『The Woman He Loved』など多数の作品で演じている。(情報源 )
シビル・トレローニー役には、最初にティルダ・スウィントンがオファーされたが、自身が経験したロンドンでの寄宿学校の生活が良くなかったため、断ったという。彼女は後に「あのような孤独で孤立した場所を美化する映画は、好きではない」とインタビューで述べている(笑)。
(情報源:IMDb)
トレローニー役のエマ・トンプソンは、目を大きく見せるために本物の拡大鏡を掛けて演じていた。このため前が見えにくく、しばしば気分が悪くなったりクラクラしたという。彼女はトレローニーについて「遠い先のことは見えても、目の前のものは見えてないんじゃないかしら」と語っている。(情報源1 、情報源2 など)
本作でマダム・ロスメルタを演じたジュリー・クリスティは、ホグワーツの2人の「闇の魔術に対する防衛術」教授の母親を演じたことがある。
映画『ハムレット』ではギルデロイ・ロックハート役ケネス・ブラナーの母親、映画『ドラゴンハート』では、ルーピン俳優デビッド・シューリスの母親を演じた。(情報源:IMDb)
マージおばさんの変身のシーンは、ボディスーツに空気を入れて撮影。
ボディスーツに手袋と足から各2本のエアチューブを繋ぎ、コンピューター制御の空気圧装置で空気を注入して膨らませていった。
マージを演じたパム・フェリスは2倍の大きさになってワイヤで持ち上げられ、最後はツイードの服を着た巨大なボールのような姿に。
これを見た衣装のジャニー・ ティマイムは、「こういう撮影には我慢が必要だけど、彼女の忍耐力の強さに驚いた」と語っている。
本作を見たローリングさんは、「アルフォンソ・キュアロン監督は直感が鋭くて、ハリー・ポッターの最後の2冊の本(『謎のプリンス』と『死の秘宝』)で起こることを予感させるような場面が、この映画の中に入れています。その場面を見た時は本当に鳥肌が立ちました。人々はこの映画を振り返ったとき、手がかりとしてそれらが意図的に入れられたと思うでしょう」とコメント。
「最後の2冊を予感させるような場面」とは、スネイプが実はハリーの守護者で彼を庇う場面 と、守護霊と魔法使いの関係の重要性(詳細 )だという。(IMDb など)
シリウス・ブラックを演じたゲイリー・オールドマンは自身の(シリウスの)演技は「平凡だった」と評し、「アラン・リックマンのように本をちゃんと読んでいたら、先が読めていたかもしれないね。何が起こるか分かっていたら、正直、違った演技ができたと思う」と話している。
さらに彼の長いキャリアの中でも最も過酷だった撮影のひとつは、『アズカバンの囚人』で凍った湖のほとりで横たわらなければならなかったことだったと告白。
「横になる」という、一見簡単な指示が、実は忍耐の試練になったとし、「それは凍った湖で、私は死んだような状態で、魂が体から離れつつあり、それ(吸魂鬼)が現れるんだ」と撮影場面を説明。
「ただ横になっているだけだったが、永遠に時間がかかった。通常は2日で撮影できるところを、1週間現場にいることになったんだ」。
「彼らはスタジオ内に湖を作り、シーンのために水を凍らせた。1週間、来る日も来る日もただ何もせず、ひたすら横たわっていなければならなかった」と語り、「その後『腎臓が少し冷えてきた』と言うと、湯たんぽをあてがわれてそこに横たわるんだ。そして3日目に『この体勢だと首が痛い』と言うと、体の下に小さな枕を置かれるんだ。。一番辛かったのは、凍った湖の傍で横たわることだった」と強調している(笑)。
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