ストーリー
サンフランシスコの製薬会社ジェンシスの研究所に勤める若き神経科学者、ウィルが実験用に観察していた一匹のチンパンジーが、驚くべき知能を示した。そのチンパンジーには開発中のアルツハイマー病の新薬が投与されており、ウィルは上司や同僚の前で実験の目覚ましい成果を発表する。ところが思わぬ事態が勃発した。そのチンパンジーが突如として暴れ出し、研究所内をパニックに陥れた揚げ句、警備員に射殺されてしまったのだ。
厳格な所長ジェイコブスからプロジェクトの中止を言い渡されたウィルだったが、思わぬものを発見する。射殺された猿は実は妊娠しており、我が子が傷つくことを恐れ、守るために暴れていたのだ。飼い手が見つかるまでの期間、生まれたばかりの赤ん坊猿を自宅に連れ帰る事に決めたウィルは、その猿を“シーザー”と名付け育てることにする。ウィルには新薬の研究を止められない事情があった。同居中の年老いた父親チャールズがアルツハイマー病を患っているからだ。
3年後、ウィルのもとですくすくと育ったシーザーは、家の中の空間を縦横無尽に駆け回るようになった。いつからかウィルとシーザーとの間には本物の人間の親子のような強い絆が生まれており、同時に母親のチンパンジーの特殊な遺伝子を受け継いだ彼は、類いまれな「知性」を発揮し始めていく。
新薬が脳を活性化させる効果を確信したウィルは、研究所から持ち出したその薬をチャールズに投与。すると翌朝、チャールズは軽やかにピアノを弾いてみせ、それまで悪化していた病状が嘘のように生気を取り戻した。
この頃から家の外の世界に興味を持つようになったシーザーは、ウィルに連れて行かれた森林公園の大自然に解き放たれ、野を走り、木を駆けのぼって、つかの間の自由を満喫するのだった。
それから5年後、ウィルは動物園の獣医キャロラインと相思相愛の仲になり、体長5フィートにもなったシーザーはいつも無邪気だった以前とは異なり、より複雑で多様な感情を表すようになっていた。
そんな折、チャールズが再び病状悪化の兆候を示し、隣人とトラブルを引き起こした。
その模様を屋根裏部屋から目撃したシーザーは、チャールズを助けようとしてその隣人を傷つけてしまう。この一件によってシーザーは、霊長類保護施設に入れられることになり、最愛の育ての親ウィルと離ればなれになってしまう。シーザーは、これまで生きてきた中でおそらく感じた事のないであろう孤独と絶望に直面しながらも、
再びウィルと共に暮らせる日々だけを願って毎日を過ごしていく。
檻に閉ざされた施設で、シーザーを待ち受けていたのは飼育員の陰湿な虐待だった。その一方で、なかなか施設内の猿のコミュニティに溶け込めずにいたシーザーは、チンパンジーの群れを率いるボスとの争いに勝利を収める。そしてゴリラやオランウータンとも心を通わせ、すべての猿たちをひとつのグループにまとめ上げていく。
その頃、ウィルは研究所でより強力に改良した新薬の実験を行うが、猿への投与中に薬を浴びたウィルの同僚フランクリンが原因不明の体調不良を訴える。
薬の副作用をウィルに伝えようとしたフランクリンはおびただしく出血し、ウィルの隣人にウイルスを感染させ、謎の死をとげる。
そうした薬の恐るべき副作用に気づかないウィルは、シーザーを引き取るため施設を訪れる。しかし久々にウィルとの対面を果たしたシーザーは、ウィルが差しのべる手を拒絶。知性に目覚め、人間の愚かさに失望し、ウィルさえも想像できない驚異的な進化を遂げたシーザーは、このときすでに“ある決意”を固めていた。
やがて高い知能を駆使し施設から脱出したシーザーは、今や固い絆で結ばれた仲間のチンパンジーらと共に、自由を求めた戦いに身を投じていく。
シーザーの重大な決意とは、人間界の秩序を崩壊させ、地球上の進化の歴史そのものを塗り替えることだった。シーザーのカリスマ的なリーダーシップのもと、研究所や動物園に収容されていた大勢の仲間をも救出し、猛然と勢力を増強させた猿たちは、人類との壮大な全面戦争へとなだれ込んでいくのだった……。
|