現在、新型コロナウイルス感染症を予防するワクチンはありません。
病気を防ぐ最善の方法は、このウイルスにさらされないようにすることです。
CDCは、以下のような日常生活での予防措置を推奨しています。
*2020年4月3日、CDCの予防法の内容が修正されました。以下は新内容の翻訳です。
【全員が行うこと】
■こまめに手を洗う
・ 石けんと水で20秒以上、こまめに手を洗う
(洗った後は、ペーパータオルなどで十分に乾燥させる。布タオルを共有化しない)
・特に 公共の場所に行ったあと、 鼻をかんだあと、 せきやくしゃみををしたあとは手洗いする
・石けんと水がない場合は、 アルコール(=エタノール)濃度60%以上の手指消毒剤(消毒薬)を使用する。片手の掌にプッシュし、両手全体に広げて、乾燥するまで両手をこする。指先・指と指の間・親指も忘れずに。
・洗ってない手で、目、鼻、口をさわらない
石けんと水、アルコールによる手洗いが有効な理由
コロナウイルスは、脂質の膜であるエンベロープで覆われています。
エンベロープを持つウイルスは、石けん(界面活性剤)や、60%以上のアルコールなどの脂質を溶かすものを使うと不活性化する(=感染力が無くなる)ため、これらを使った洗浄が有効とされています。
石けんとアルコールではどちらが有効か?
・ CDCや ニューサウスウェールズ大教授などによると、石けんでの洗浄の方が、手指消毒剤(アルコール消毒液)より効果があるとのこと。
理由は、石けんは手の汚れも同時に落とすほか、コロナウイルス以外に細菌なども洗い流せるため。
アルコール消毒液は簡単にコロナウイルスを不活化できるが、汚れた手や(すべての)細菌には有効でないので石けんが効果的としています。 NEW!
■濃厚接触を避ける
・症状のある人との 濃厚接触を避ける
・できるだけ家にいること
・他の人たちと距離を保つ(離れる)こと
無症状の感染者でも、ウイルスを拡散する可能性があります
他人からの距離を保つことは、重症になるリスクの高い人々(高齢者や基礎疾患等のある方)には特に重要です。
■周囲に人がいる時は、布マスクで口と鼻を覆うNEW!
・あなたに症状が出ていなくても、COVID-19を他人にうつす可能性があります。
・ 外出する時は、全ての人が布マスク(フェイスカバー)を着用しなければなりません。
たとえば、食料品店に行ったり、その他の生活必需品を買いに出かける時などです。
ただし、布マスクは、次の人には着用させないでください:2歳未満の幼児、呼吸困難の人、意識不明の人、動けない人、他人の助けがないと脱げない人
・布マスクは、あなたが感染していた場合に備えて、他の人を保護するため(うつさない)ためのものです。
・医療従事者向けのフェイスマスクは、使用しないでください(マスク不足になり、 医療従事者にマスクが行き渡らなくなる事態を防ぐため)
・他人と6フィート(約2メートル)の距離を保ってください。布のフェイスカバーは、社会的距離の代わりにはなりません。
【関連情報】
CDCは上記の通り布マスクを推奨していますが、WHOは 布マスクの使用を勧めておらず、また不織布マスクと布マスクを比較した場合、布マスクの再利用やフィルター効果の低いマスクは医療従事者にとって 感染リスクを高めるという論文もあります。
一方、不織布マスク(サージカルマスク)は、コロナウイルスとインフルエンザウイルスの感染予防効果があることが、 香港大学やハーバード大学による研究グループが4月3日に発表した論文で分かっています。
■咳とくしゃみをするときはティシュペーパーで覆う
・布マスクをしていない時に咳やくしゃみをする場合、必ず口と鼻をティシュペーパーで覆って下さい。
・使用後のティシュペーパーはすぐゴミ箱に捨てる
・すぐに石けんと水で20秒間手を洗う。
石けんと水がない場合は、アルコール(エタノール)60%以上の手指消毒剤で洗浄する
■清掃と消毒
・手指がよく触れる場所を、毎日掃除・消毒してください
・テーブル、ドアノブ、照明のスイッチ、ハンドル、電話、PCのキーボード、トイレ、蛇口、シンクなどを含みます。 (スマホやメガネも忘れずに)
・表面が汚れていたら、消毒の前に、洗剤や石けんを使って汚れを落としてください。
・物の表面の消毒には「次亜塩素酸ナトリウム」、「70%以上のアルコール(エタノール)」などが有効であることが分かっています。
・次亜塩素酸ナトリウムは、0.1%の希釈(0.1%次亜塩素酸ナトリウム)が有効と見られています(CDC)
ECDC欧州疾病予防管理センターは、中性洗剤で洗浄後、0.1%次亜塩素酸ナトリウムまたは70%濃度のエタノールでの消毒を推奨しています。
消毒薬 |
場 所 |
対 象 |
方 法 |
次亜塩素酸ナトリウム
または
消毒用エタノール |
家 |
居間
食事部屋
庭 |
ドアノブ、窓の取手、照明のスイッチ、 テーブル、椅子、電話機、パソコンのキーボード等
|
汚れている場合は、洗剤や石けんを使って汚れを落としてから消毒する。
ペーパータオル等に十分に薬液を含ませて拭き、自然乾燥させる。
濡れている場合には水分をふき取った後、ペーパータオル等に十分に薬液を含ませて拭く。 |
浴室 |
水道の蛇口、ドアノブ、窓の取手、照明、スイッチ等
|
トイレ |
流水レバー、便器のフタ等
|
職場 |
集合住宅
共有部分 |
エレベーターやオートロック、コピー機 等のボタン、建物出入口のドアノブやハンドル、共有のトイレや給水場所の蛇口、電話機等
|
※次亜塩素酸ナトリウムは、製品(ミルトン、ピューラックス、ハイター、ジアノックなど)によって原液の濃度が違います。下を参考に希釈して使用してください。
【次亜塩素酸ナトリウム濃度】 キャップ1杯の量
原液の濃度 |
商 品 名 (例) |
1% |
ミルトン、ミルクポン、ピュリファン |
5〜6% |
ジアノック、ハイター、ブリーチ |
6% |
ピューラックス、次亜塩 6%「ヨシダ」、アサヒラック、テキサント |
10% |
ピューラックス-10、ハイポライト 10、アサヒラック、アルボースキレーネ |
12% |
ジアエース、アサヒラック、バイヤラックス |
【0.1%次亜塩素酸ナトリウムの作り方】(0.1% = 1000ppm)
原液の濃度 |
希釈倍数 |
原 液 : 水 |
1%の製品 |
10 倍にする |
330ml : 3 g |
6%の製品 |
60 倍にする |
50ml : 3 g |
12%の製品 |
120 倍にする |
25ml : 3 g |
・ 次亜塩素酸ナトリウムは布・金属に対し腐食性があるため、金属部位や布に使用した場合は、10分程度たったら水拭きしてください。
・次亜塩素酸ナトリウム希釈液は、作り置きできません(紫外線に当たると消毒効果が低下する、見た目が水なので誤飲の可能性があるため)
・ スプレーボトルでの噴霧はしないでください。
・ 製品に記載されている「使用上の注意」をよく読んでから使用してください。
参考: 東京都感染症情報センター(PDF) 茨城県保健予防課(PDF)
■満員電車対策(番外編)
・なるべく時差通勤や可能なら在宅勤務にシフトし、満員電車を回避する
(NY州のクオモ知事、満員電車に乗らないよう呼びかけ/可能ならバイクや徒歩で通勤を)
・満員電車は、「ドア付近」が危険
・「座席付近」の方が感染リスクが低い
・最も感染リスクが低いのは、「座席に座る人の周り」
・ウイルスはつり革や手すりなどどこにでもいる。マスクをしたり、乗り物から降りた時に手洗いや消毒をしたりすることが予防につながる。(使い捨て手袋も有効)
■飛行機対策(番外編)
・機内の空気は循環しているが、大抵の航空会社は病院で使われる滅菌フィルターを使用しているので、空気で感染するリスクは低い
・感染リスクの少ない席は、
周囲に人が少ない席
周囲に患者がいない席(当たり前)
窓際(前後左右2列に患者がいない場合)
・リスクの高いのは
通路側(トイレに行く不特定多数の人が通る)
トイレの近く(大勢が集まり、中には感染者もいるかも知れない)
前後左右2列に患者がいる場所
・予防法は
患者との濃厚接触を避ける(機内では前後左右2列以上離れる)
手を頻繁に石鹸と水で洗う
座席のテーブルなども(清掃がずさんなので)ウェットティシュなどで拭く
手で口や鼻・目をさわらない
情報源:ナショナルジオグラフィック(中央に患者=infected person)が居た場合の危ない席の図あり)など
感染拡大を防ぐために(厚労省)
国内では、散発的に小規模に複数の患者が発生している例がみられます。
この段階では、濃厚接触者を中心に感染経路を追跡調査することにより感染拡大を防ぎます。
今重要なのは、今後の国内での感染の拡大を最小限に抑えるため、小規模な患者の集団(クラスター)が次の集団を生み出すことの防止です。
感染経路の特徴
◆これまでに国内で感染が明らかになった方のうちの8割の方は、他の人に感染させていません。
◆一方、スポーツジム、屋形船、ビュッフェスタイルの会食、雀荘、スキーのゲストハウス、密閉された仮設テントなどでは、一人の感染者が複数に感染
させた事例が報告されています。
このように、集団感染の共通点は、特に
「換気が悪く」、「人が密に集まって過ごすような空間」、「不特定
多数の人が接触するおそれが高い場所」です。
国民の皆さまへのお願い
◆ 換気が悪く、人が密に集まって過ごすような空間に集団で集まることを避けてください。
◆イベントを開催する方々へ
風通しの悪い空間や、人が至近距離で会話する環境は、感染リスクが高いです。
従って、その規模の大小にかかわらず、 その開催の必要性について検討するとともに、開催する場合には、 風通しの悪い空間
をなるべく作らないなど、イベントの実施方法を工夫してください。
令和2年3月1日版
参考情報CDCによる感染予防策: イベント・大集会編、 学校・幼稚園編、 中高大学編、 職場編、 コミュニティ・宗教編、 家庭編、 病院編、 救急編、 ホームレスシェルター編
|