| 質問(以下同)：ご自分の本の中でどれが一番好きですか？ |
J.K.ローリングさんの答え(以下同)：さまざまね。今は(不公平なことに)"Harry Potter and the Half Blood Prince"(6巻)がお気に入りの本だけど、おそらく「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」と言わなければならないでしょうね。ごめんなさい。Half Blood Princeは私しかまだ読んでいないけれど仲々良い出来だと思っているわ。いつも執筆する時はこうなのよ。たいていは半分ぐらいまで書くとそれがすごく気に入るの。でも書き終えるとすっかり嫌になって、価値のないクズみたいな本だと思ってしまう。今の所6巻の内容が気に入っているわ。色々なことが起こるし、多くの疑問が解明される。今は疑問やヒントを増やす時期ではなく、解明の時期に入ったと思っているの。まだ書いてないヒントは幾つかあるけれど。6巻をまだ読めないと知って、みんながじれったく思ってくれると良いけれど。
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| 子供の頃読んだ本と、現在読んでいる本を教えて下さい。
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子供の頃はとにかく何でも読んだわ。若者向けでお気に入りの本は、ドディー・スミスの"I Capture the Castle"(邦題『カサンドラの城』) や、"The Little White Horse"(邦題『まぼろしの白馬』)。E. Nesbitは素晴しいし、彼女の書き方に共感するわ。彼女が書く子供はとてもリアルだし、あの時代のパイオニアね。
一番最近読んだ本はウィルキー・コリンズの"The Moonstone"。素晴しかったわ。ちょうど休暇中だったのだけれど、5年間で初めてアイリス・マード ックの本を一冊も持っていかなかった。だって本当に気が滅入るから。一冊スーツケースに危うく入れかけたけれど「何故こんなことをするの？何故この(本の)中に自分を投じようとするの？」と考え、悩まなかったわ。代わりにウィルキー・コリンズを読んだけれど、ずっと良い経験だったわね。
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| ホグワ-ツの絵の中の人物はみんな死んでいますが、肖像画を通して生きているように見えます。どうしてこうなのですか？ もしハリーの両親の絵があったら、ハリーは両親からアドバイスを得ることができるのですか？
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良い質問ね。彼らは全員死んでいる人たちだけど、恐らくあなたが気づいている通り、ゴーストのような完全な形にはなっていないの。彼らの話す姿が見られるのは主にダンブルドアの部屋。彼らは自身のかすかな面影を残しているかつての校長たちなの。その部屋で自身の雰囲気(オーラ)を残し、現在の校長に助言することができるの。でもゴーストのようになってはいないわ。彼らはだいたいキャッチフレーズをくり返しているのよ。シリウスの母親の肖像画は立体的な人物ではないの。彼女は完全には(元の)姿となっておらず、生きていた時の口ぐせを繰り返しているだけ。もしハリーが自分の両親の肖像画を持っていても、それは大した助けにはならないでしょうね。一方もし彼がゴーストの姿の両親に会えるとしたら、(肖像画より)ずっと有意義な交流ができるわ。でもニックが5巻の最後で説明した通り--私は危険な部分(＝ネタばれ)に迷い込んでいるけれど、恐らく皆さんはニックが何と説明したか知っていると思うわ--死を全く恐れないかそんなに恐れない人は、ゴーストとしてこの世に戻って来ないのよ。
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| 本の中で好きなキャラクターは誰ですか？
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沢山いるわ。ハリー、ロン、ハーマイオニー、ハグリッドやダンブルドアが大好きだし、スネイプは必ずしも素晴しい人ではないけれど、彼を書くのは楽しくて好きよ。ダドリーを書くのも好き。もし誰かに会えるとしたら、ルーピンを選ぶでしょうね。彼がとても好きよ。新しいキャラでお気に入りなのはルーナ。大好きよ。
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| ペチュニアはスクイブなのですか？ |
良い質問ね。ペチュニアはスクイブではないけれど--(笑)。彼女はマグルだけど--(笑)。読者は今後の本（6･7巻)を読まなくてはならないわね。(そうすれば)ペチュニアおばさんには見かけ以上のことがもう少しあるのだと感じるかもしれないし、それが何なのか知ることになるわ。彼女はスクイブではないけれど、これはとても良い推測ね。 あら、私ったら随分ネタばれしているわね。かなり軽率だわ。
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| ムーニー、ワームテール、パドフット、プロングスなどの名前はどのように思いついたのですか？
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これらの名は全て変身した時の生き物からつけられているのよ。考えるのは楽しかったけどワームテールが一番難しかったわね。私の妹はネズミがきらいで、しっぽを嫌がっていたの。それで思いついたのよ。私がどのように命名しているか実際に知っているでしょう？あなたのお母さんの旧姓を拝借してないかしら？私と親しくなったら気をつけたほうが良いわよ。だって本に名前が登場するかも知れないし、もし私を怒らせたら、嫌なキャラクターにあなたの名前がつくことになるから。この前マクラーガンという素敵な名前を見つけたわ。これを逃す手はないと思い、6巻に登場させたのよ。
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| 物語の中でハリー・ポッターは大人の魔法使いになりますか？ |
7巻になるまでハリーは生きのびるとここで話しても、暴露しすぎているとは思わないわ。だって私、皆さんに絞め殺されたくないもの。でもハリーがそれより先(7巻から先)も成長できるかどうかについて言うつもりはないわ。これまで決して話さなかったし。あなたは私を困らせるのが上手いわね！
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| 実在の人物を基にしたキャラクターはいますか？
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実在の人物を基に故意に作られたのはギルデロイ･ロックハートだけね。(笑) まさかとは思うけど、実際のモデルはもっとひどい人物よ。(笑) イヤな人だったわ！自分がやったという冒険や物事、感動的な事柄に関して彼がついた嘘といったら・・ゾッとする男よ。彼は自分がギルデロイ･ロックハートだと絶対に思わないでしょうから、私もこんなことをおおっぴらに話せるの。いつか彼が現れるのではないかと、いつも心配してるわ。決して縁が切れないと感じるような男よ。いつの日か私がサインをして顔を上げると「やあ、ジョー」と声をかけるの(笑)。 他にも、鼻とか風変わりな特徴を拝借した人たちはいるけれど、誰かを基にしたと言えるキャラクターはギルデロイ･ロックハートだけね。(モデルとして登場させたことで)2年間彼を我慢しなければならなかったことへの埋め合わせができたわ。
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| ハリー・ポッター以外に書いた本はありますか？ |
いいえ。他にも書いた本で出版されていないものはあるけれど、大きな痛手ではないわね。あらゆるジャンルのさまざまなものを書いたけれど、どれも出版されてないの。その内のどれかが出版されるかどうかは分らないわ。最後まで書き終えてなくて、書き上げたい作品も幾つかあるけれど、それを出版したくなるかどうかは分らないわ。
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| あなたの本に登場する大勢のキャラクターの中で、誰が一番あなたの性格に似てますか？ |
全ての登場人物は作者のキャラクターの延長だという説があるけれど、それを当てはめると私は頭のおかしな人になってしまうわね(笑)。本に何人登場しているか分らないけど、多分 200人近くいるので本当に困っちゃう。。ハーマイオニーは私の若い時にちょっと似ているわ。私に似せようとした訳ではないけれど、ちょっと私に似ている。彼女は私の若い頃を誇張した姿ね。ハリーもちょっと私に似ているわ。ハリーとロン、ハーマイオニーを一緒にしたら･･･この3人のことをとても楽に書けるのは、きっと彼らがそれぞれ私の違った側面に似ているからだと思うわ。ドロレス・アンブリッジみたいな人になるのは嫌ね。まさか。私は彼女と全然違うもの。彼女はひどい女性よ。
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| ダンブルドアの守護霊は何の形をしてますか？ |
良い質問ね。誰か当てられるかしら？ヒントは出ているわ。本にちょっとした暗示があるの。守護霊は不死鳥よ。ダンブルドアを象徴している生物でしょう。
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| 7作目のタイトルは何ですか？ |
あなたは以前にもそれを聞いたと思うけど。(笑) かつてアメリカのテレビの生放送で、あなたと同じぐらいハンサムでキュートな男の子が5作目について私に質問したの。ジャーナリストには全員にノーと言い続けてきたのだけれど、そうしたらあなたのような小さな男の子が手を挙げて「次の本のタイトルは何ですか？」と聞いたのよ。「"Harry Potter and the Order of the Phoenix"よ！」と答えてしまったわ。でも今はあなたに答えるつもりはないわ。ごめんなさいね。万が一答えたら私がどんな苦境に陥るかあなたは知らないでしょうけれど、代理人に追いかけられて殺されてしまうわ。だから言えないのよ。
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| 何故ハリーはホッグズヘッドのバーテンダー(barman)に対して、かすかに見覚えがあると感じたのですか？彼はダンブルドアの兄弟ですか？ |
あら？いい線いってるわ。何故それがアバーフォースだと思ったの？[観客の声：さまざまなヒントから。ヤギの臭いがするし、ダンブルドアにちょっと似ているとか。] そのヒントに満足よ。これ以上のことは言えないわ。(笑) ええそうよ(彼はダンブルドアの兄弟なの）。私はヤギのヒントを気に入っているわ。それを考えついた時はほくそえんでしまったわ。
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