Pensieve / ペンシーブ ダンブルドア達はクラウチ氏が失踪した現場を見に出かけ、 ハリーは一人、校長室に残った。。 |
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◆ペンシーブ◆ ペンシーブとは、浅い洗面器(水盆)の形をした、石で作られた魔法の道具のこと。縁にはルーン文字やハリーが見たこともないような記号が刻まれ、この中にダンブルドアは自分の記憶を保存している。中身は雲のような銀白色の物体で絶えず動いており、光が液体になったような、あるいは風が固体になったようなものだとハリーは思う。 校長室で一人でダンブルドアを待っていたハリーは、少し開いたキャビネットから銀白の光が漏れているのに気付く。中をそっと開けるとそこにはペンシーブが。光はその中身から発せられていた。ハリーが杖先で中身に軽く触れると、表面がものすごい速さで渦巻き始めた! ◆ペンシーブの中へ◆ ハリーは身をかがめキャビネットの中に頭を突っ込む。ペンシーブの中身は今や透明でガラスのようになり、覗き込むと、中には地下室のようなものが見える。ちょうど部屋の天井についた丸い窓越しに上から覗き込んでいるような感じだ。部屋は薄暗く地下室のようだ。中には壁に沿って段々と高くなっていくベンチがあり、そこに魔法使いや魔女達が何列にも並ん座っている。その真ん中には椅子が1脚置かれ、椅子のアームには鎖がついている! 覗き込んでいたハリーの鼻先がペンシーブの中身に触れてしまい、ハリーはその中へ。 ◆カルカロフの裁判◆ 部屋にはダンブルドアも座っているが、ハリーの存在に気付かない。どうやらダンブルドアの記憶の中にいるようだ。ハリーは校長の隣に座った。 ドアが開き、ディメンターが1人の男を部屋に連行して来る。男はカルカロフだった。今よりずっと若い。ムーディー(まだ魔法の目になっていない)はダンブルドアに「クラウチはカルカロフと取引し、サポータ−の名を明かしたら釈放つもりのようだ。わしに言わせりゃ情報を聞いたらヤツを再びディメンターに送り返すべきだが」と耳打ちする。カルカロフは怯えながらもデス・イーターの名前を言い始める。彼が告白したサポーターは以下の通り。 ・アントニン・ドロホフ(マグルや非サポーターに拷問した):既に逮捕。 ・イワン・ロジェ:既にAurorに殺害された。 ・トラバーズ(マッキノン家殺害を幇助した):既に拘留。 ・アウグストゥス・ルックウッド(魔法省のミステリィー部の職員でヴォルデモートに情報を流していたスパイ) ・マルシバー(Imperius Curseのスペシャリスト):既に拘留されている。 ◆スネイプは?◆ カルカロフはスネイプの名も告白するが、彼は無罪放免されているとクラウチ氏は答えるる。ダンブルドアは「スネイプはデス・イーターじゃったが、ヴォルデモートが失脚する前に我々の側につき、命を懸けてスパイをしてくれていた」と話す。 ◆ルド・バグマン◆ 記憶はここで消え、違った時代のシーンが始まる。ハリーは今度は地下室の別の席に座っている。部屋の雰囲気は前より和やか。クラウチ氏の他にダンブルドアや若きリタ・スキーターの姿が見える。別の人の裁判らしい。今度の容疑者はバグマンだ。デス・イーターの活動に関与した疑いで、連行されて来たらしい。だがバグマンは「私にはさっぱり分からないよ。ルックウッドは親父の友人で、彼がヴォルデモートの仲間だとはこれっぽっちも思わなかった。私は自分達の陣営の為に情報を収集していると思っていたんだ。ヤツは私にあとで魔法省で働き口を世話してくれると言い続けてたし」などと言う。挙手による採決で無罪に。 ◆ネビルの両親とクラウチ氏ジュニア…◆ 地下室は再び消え、別のシーンが現れるが雰囲気は全然違っていた。クラウチ氏の隣には今度は彼の妻が座りすすり泣いている。ドアが開き夫妻の息子が3人の魔法使いと伴に部屋に連行されて来る。息子は10代後半位で震えている。 「父さん..お願いだよ...」息子が哀願する中、クラウチは裁判を始める。「お前たち4名はオーローのフランク・ロングボトムを捕え、逃亡中のあるじ『例のあの人』の居所を吐かせる為に拷問呪文(Cruciatus curse)を唱えた罪に問われている」 「父さん、僕はやってないんだ!」「僕じゃない。誓うよ、父さん!僕をディメンターの所に送り返さないで--」しかし息子の声にお構いなしにクラウチ氏は続ける。「更にお前たちは別の罪にも問われている。フランク・ロングボトムが情報を言わないと彼の妻にも拷問呪文を唱えたというではないか」 「母さん、父さんを止めてよ。僕じゃないんだ」。。息子が悲鳴を上げる中、採決が取られ陪審員は一斉に手を上げる。息子は「嫌だ、母さん、僕は知らない!」と叫び、他の3人被告は「ヴォルデモートは再び蘇る、クラウチよ!われらをアズカバンに送るが良い、われらは待つ。ご主人様は再び蘇りわれらを迎えに来るであろう!」と言い放つ。「僕は父さんの息子なのに」と叫ぶ息子に「私には息子などおらぬ」とクラウチ氏は冷たく言い返すのであった。。 ◆現実世界に…◆ 「ハリー、そろそろ戻る時が来たようじゃ」ダンブルドアの声がし、ハリーは肘をつかまれペンシーブから連れ戻される。ダンブルドア曰く、沢山の考えや記憶で自分の頭がぎゅうぎゅう詰めになるような時にはペンシーブの中に余分なものを保存しておき、後でゆっくり調べてみるのだという。そして杖をこめかみに当て記憶を取り出し、ペンシーブに入れてみせた。そして杖の先でつついて、中から女学生の姿を浮かび上がらせた。ダンブルドアの記憶の中のバーサ・ジョーキンスだった。彼女は「先生、彼ったら、私に呪いをかけたんです。私はただ彼をからかっただけなのに。温室の裏でフローレンスとキスしている所を見たって、彼に言っただけなんです」と、つまらないことを訴えていた。 ◆ハリーが見たのは正夢?◆ ハリーは校長室に来た理由(ヴォルデモートの夢を見たことと傷跡が痛んだ)を話す。校長は今夏にハリーの傷が痛んだことを知っていた(シリウスと連絡をとっていた)。ダンブルドアは「ヴォルデモートが近くに居る時か、その力が強大になった時にハリーの傷跡が痛んでおる」と言い、正夢なのかとの問いには「それはあり得る。ほぼ間違いないと言ってもいいじゃろう」と答える。ヴォルデモートは強くなりつつあるのかとの問いに「バーサ、クラウチ氏、フランク・ブライスの3人が失踪している。それらは関係があると思う」とだけ言う。 ◆ネビル夫妻◆ ダンブルドアによると、ペンシーブの中で名前が出たロングボトム夫妻はネビルの両親のことで、2人は拷問にかけられ気が狂ってしまったという。。今は「セント・マンゴ魔法疾病傷害病院」(8章でルシウス・マルフォイが寄付をした病院)に入院中。ネビルは休暇中にお婆さんとお見舞いに行くが、夫妻は息子を見ても誰だか分からないという。ハリーはショックを受ける。ネビル夫妻の状態から言ってその証言は当てにならない。クラウチの息子が本当に拷問に関わっているのかとハリーは聞くが、校長は「分からない」と答える。そして帰ろうとするハリーに「ネビルの両親のことは他の生徒には黙っているように。彼には自分の心の準備ができた時に人に話す権利があるのじゃから」と付け加えるのだった。 |
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・original page date:9/13/2002 ・1st page update:9/20/2002 |
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